神明、スシローグローバルホールディングス、元気寿司は9月29日、資本業務提携し経営統合に向けて協議を開始すると発表した。
<左から法師人社長(元気寿司)、藤尾社長(神明)、水留社長(スシロー)>
元気寿司の筆頭株主である米卸最大手の神明が、新たにスシローGHDの株式33%を取得し、あきんどスシローと元気寿司の経営統合を目指す。
神明の藤尾益雄社長は、「経営統合のイメージとしては、上場会社であるスシローGHDを残し、その下に事業会社のあきんどスシローと元気寿司をぶら下げる形を検討している」と語った。
スシローGHDの2016年9月期決算は、売上高1477億円、国内店舗数476店、海外(韓国)8店だった。元気寿司の2017年3月期決算は、売上高349億円、国内店舗数152店、海外167店(店舗数は9月29日現在)だった。
両社の数値を単純合算すると、売上高1826億円、国内店舗数628店、海外店舗数175店となり、回転寿司業界2位のくらコーポレーションを大きく引き離すことになる。
2016年10月期のくらコーポレーションの売上高は1136億円、国内店舗数369店、海外店舗数16店だった。
藤尾社長は、「回転寿司業界はまだ成長が見込める業界であり、世界でもスシが国際語として通用するくらいメジャーなメニューとなっている。スシローと元気寿司に米を供給することで、日本の米の消費を増やし、日本の農業を活性化させたい」と語った。
経営統合の時期は未定だが、神明1人、スシローGHD2人、元気寿司1人で構成する統合準備委員会を設置し、経営統合に向けた協議を開始する。
スシローGHDの水留浩一社長は、「個人的な統合のイメージだが、スシロー、元気寿司ともに特徴のある店舗を展開している。出店地域もあまり重なっていない。元気寿司は海外に強みがあり、スシローの海外戦略も強化できる。両社とも違う提供価値を持っており、無理にブランドを統合するのではなく、お互いの強みを生かした展開をする」と述べた。
元気寿司に法師人尚史社長は、「元気寿司は3年前から回転寿司の出店を止めて、魚べいという回らない回転寿司の出店している。今後も回らない寿司に特化してやっていく。ただ、すべてのお客が回らない寿司を支持しているとも思わない。スシロー、魚べいの良さを出して住み分けをしていく」と語った。
水留社長は、「スシローは新しい寿司を回転寿司で見てもらう価値があり、魚べいは回らない回転寿司をやっている。仮に隣り合って出店しても、お客さんの選択肢が増える。老朽化したスシローの改装で、スシローではなく、魚べいとしてリニューアルする可能性もある」と述べた。
スシローGHDに出資しているJA全農と神明との関係について藤尾社長は、「当社は米卸の最大手であり、JA全農は最大の取引先であり、最大の調達先となっている。当社とJA全農が連携を強化することで、品質面でも価格面でも最高の米を供給できる」と語った。
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