2017年9月26日火曜日

【千葉・女児殺害半年】リンさん父「幸せに生きてほしいと普通を願っただけだった」 泣き出す3歳の弟「なんで一緒にいないの…」

 「幸せに生きてほしいと普通を願っただけだった」−。千葉県我孫子市で同県松戸市の小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=の遺体が発見されてから26日で半年となるのを前に25日、父親のレェ・アイン・ハオさん(35)が産経新聞の取材に応じた。事件では殺人罪などで起訴された渋谷恭正被告(46)が現在も黙秘を続ける。ハオさんは「(被告に)真実を語ってほしい」と求め、日本の司法当局には「一日も早く裁判をしてほしい」と訴えた。(岩崎雅子)

 事件後、リンさんの弟(3)はしばしば「なんで一緒にいないの」と、泣き出す。好きなアニメ番組を見るときも「リンちゃんと見たい」といって姿を探し、「一緒に見ようね」とリンさんの写真を握らせるとそれを拒み、また泣き出す。「だんだん、リンちゃんがいなくなってしまったことが分かってきたんだと思う」。ハオさんはこうおもんぱかる。

 両親は、食事時に、寝る前に、いるはずの娘の姿がないことにつらくなる。家族はいま、そんな思いで生きている。

 6月初旬、妻(32)のフェイスブックに、被告の死刑を求める声が集まった。これを見たハオさんは、極刑を求める署名運動を始めた。これまでに3万筆が集まり、検察に提出する方向だという。「この種の犯罪はベトナムなら確実に死刑になる」とハオさん。「ベトナム人だけでなく、日本人にも署名してほしい」と日本語のホームページも作成した。

 ハオさんは事件当初、娘の被害が実名で報道されることに戸惑った。いったんは実名報道を拒んだが、「匿名では、どこの誰に何が起きたのか分からなくなってしまう」(ハオさん)と思い直した。「実名」には事実を日本社会に直視してほしいとの願いも込められている。

 四十九日の法要の後、ベトナムにあるリンさんの墓前に千葉県警の捜査員の姿があった。公務を離れ、個人的にリンさんに捜査経過を報告し冥福を祈ったのだった。ハオさんも「(警察は)寝ないで一生懸命に捜査をしてくれた」と感謝している。

 「日本は、素晴らしい思い出もたくさんある。日本人すべてが悪いのではなく犯人が悪いのだとも分かっている」。こう語るハオさんは、これからも日本で暮らしたいと考えているという。

■千葉小3女児殺人遺棄事件

 ベトナム国籍の千葉県松戸市立六実第二小3年、レェ・ティ・ニャット・リンさんが3月24日朝、登校中に行方不明になり、2日後に遺体で見つかった。県警は4月14日、死体遺棄容疑で事件当時に同小保護者会長だった渋谷恭正容疑者を逮捕、5月5日には殺人容疑などで再逮捕し、千葉地検は同26日、殺人と強制わいせつ致死などの罪で渋谷容疑者を起訴した。

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