宅配便最大手のヤマトホールディングス(HD)は28日、法人顧客向け契約基準の見直しによる収益構造改革や、新たな業務形態の導入を柱としたドライバーの負担軽減などを盛り込んだ2019年度までの中期経営計画を発表した。人手不足が深刻化する中、インターネット通販の普及による今後の需要拡大に対応できる態勢を整える。
一連の改革でヤマトは今年度から3年間で、情報通信技術(ICT)導入や働き方改革などに計3500億円を投じ、19年度の連結営業利益を過去最高の720億円(16年度比約2倍)まで上積みする。会見で山内雅喜社長は「今後の100年に備えて、経営基盤を強化する」と語った。
収益構造の改革では、配送需要の約9割を占める法人顧客に対し、荷物量に応じて決めていた従来の契約基準を改め、配送先の不在率や燃料費など外部環境まで反映した基準に見直す。大口顧客約1000社との交渉は「8割以上終え、おおむね値上げ」(山内社長)で推移しているという。ICT導入による仕分け業務などの効率化も進める。
ドライバーの負担軽減については、従来のドライバーに加え、夜間配達専門のドライバーを新たな職種として導入、実質的な2交代制とする。夜間専門ドライバーは委託先や短時間勤務の社員を中心に採用し、19年度までに約1万人の雇用を目指す。宅配ロッカーやコンビニエンスストアでの受け取りも増やし、再配達の大幅な削減を図る。
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