2017年9月27日水曜日

東芝副社長、日米韓連合とメモリ売却契約「月内見通し」

 東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却をめぐり、東芝の成毛康雄副社長(東芝メモリ社長)は27日、今月中に米ファンドのベインキャピタルが率いる「日米韓連合」と売却契約を結べるとの見通しを示した。東芝は20日に売却先を発表したが、まだ正式に契約を締結しておらず、行方が不安視されている。

 四日市工場(三重県四日市市)がある三重県の鈴木英敬知事に売却方針を説明後、記者団にこたえた。成毛副社長は「主な課題はクリアされた。近日より近々(に契約)。準備しているところ」とも述べた。

 東芝は20日に日米韓連合への売却を発表しており、21日にも契約を結ぶ考えだった。関係者によると、日米韓連合に出資する米アップルが、製品の半導体メモリーの優先的な納入を求めて調整が難航。四日市工場で共同生産する米半導体大手ウエスタンデジタル(WD)が売却への反対を続けている点に対し、買収資金を融資する銀行団が懸念を深めていることも、契約締結の遅れにつながっているという。

 一方、韓国の半導体大手SKハイニックスは27日、日米韓連合に3950億円の資金を拠出すると発表した。このうち1290億円は転換社債で、将来は議決権15%分の株式に換えられるという。

 日米韓連合は2兆円の買収額を提示。関係者によると、取引銀行団が6千億円を融資で出す。さらにSK、アップルなどの米国勢、東芝が、議決権のない優先株や社債などの形で1兆1250億円を拠出。残る2750億円は、議決権のある普通株でベイン、HOYA、東芝が出す。

 ベイン以外の日本勢の議決権比率は5割超になる。WDとの係争解決後、政府系ファンドの産業革新機構と日本政策投資銀行も出資し、SKなどが社債を株式に転換しなければ、日本勢の議決権は7割を超す見通しだ。

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