2017年9月26日火曜日

格安スマホ、早くも淘汰の波 楽天が「フリーテル」買収発表

 楽天は26日、格安スマートフォン(スマホ)サービスの「フリーテル」を買収すると正式に発表した。2017年11月をメドに、同ブランドを手がけるプラスワン・マーケティング(東京・港)から買い取る。買収額は5億2千万円。格安スマホは成長市場だが、新規参入者がひしめくなか、早くも業界再編が動き出した。

 格安スマホ業界で国内4位の楽天は、買収によりソフトバンク系、NTT系に次ぐ3位となる。楽天はプラスワンの買収について、「格安スマホ事業を展開してきた両社が手を組むことで、業界を盛り上げていきたい」としている。フリーテルブランドは残し、店舗網も楽天が引き継ぐ。プラスワンは格安通信サービス事業を楽天に売却し、スマホ端末の設計・製造に特化する。

 「スマホで出荷台数世界一を目指す」。プラスワンの増田薫社長はメディアの前でたびたびこう宣言してきた。2012年に設立し、13年11月に格安スマホに参入。端末製造から通信サービスまで一気通貫型で担う異例のベンチャーとして脚光を浴びてきた。

 だが、市場が成長するにつれ、ソフトバンクやKDDI(au)といった携帯大手が逆襲に出てきた。通信大手系のサブブランドが新規契約の5割を占めるなど早くも寡占化が進み始めたのが実態だ。フリーテルも新規顧客数が伸び悩み、「資金繰りが苦しいとの噂はたびたびあった」(ライバルの格安スマホ事業者幹部)。同社の通信サービス事業の直近の売上高は43億円で、楽天の買収額はわずか5億円程度だ。

 20社以上がひしめく格安スマホ市場に、早くも淘汰の波が押し寄せてきた。

(大西綾)

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