ヤフーは6日、都内で開いた記者会見で、検索やEC(電子商取引)など同社の各種サービスから得られたビッグデータを外部の企業や自治体に提供し、企業業績や自治体サービスの改善につなげる新たなデータ活用事業を始めることを明らかにした。実証実験に参加する企業や自治体の募集を始めており、2019年度からの事業化を目指す。次期社長に内定している川辺健太郎副社長は「『データの会社』を目指すことの一つの答えだ」と述べ、新たな事業の柱にする方針を示した。
ヤフーはこれまで、保有するビッグデータを、ECサイトで利用者に最適化した商品を提案するなど自社サービスの改善のために活用してきた。外部企業向けには、より効果的な広告の出稿などに利用してきたが、今後は活用の幅を広げる。ヤフーが、自社データだけでなく、協力する自治体や企業のデータから得たインサイト(識見)を提供、事業化に向けて収益モデルを検討する。
既に日産自動車や江崎グリコなど約10社と、神戸市や福岡市などとは協力を進めている。企業にとっては、効率的な需要予測や製品開発などへのデータ活用が見込まれ、自治体にとっては市街地の魅力あるスポットの整備や救急車の稼働状況の分析などが可能になるという。
ヤフーの佐々木潔最高データ責任者(CDO)はヤフーと企業、自治体でデータを相互に活用する新事業を「データフォレスト(森)」事業と名付けて推進する考えを強調。現在は500人程度のデータ担当人材を4倍に増やす方針だ。
ビッグデータの活用については「個人情報を勝手に使われる」という不安を呼ぶ恐れもあるが、川辺副社長は「企業責任としてデータを使われたくないという場合は容易に遮断できる仕組みを提供したい」と述べた。
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