東京・日本橋を通る首都高速道路の地下化に向けた議論が18日、最終決着した。これまで5000億円規模とされてきた事業費は約3200億円に圧縮。一部の地下ルート新設をやめて事業費を減らす一方、既存の首都高・八重洲線などの機能を強化して交通量は確保する。2020年の東京五輪・パラリンピック後の着工に向け、今後は具体的な手続きに入る。
全体事業費のうち首都高会社が約2400億円を負担する。従来見込んでいた更新費の一部の約1000億円に加え、国や都からの出資金の償還先送りなどで約1000億円を確保。さらに経営努力で約400億円を捻出する。都と中央区が約400億円、民間も約400億円を負担する。
今回の決着のポイントは日本橋周辺を通る既存の首都高・八重洲線や東京高速道路(KK線)の活用により、一部の地下ルートの新設をやめたことだ。この結果、事業費の圧縮が可能になった。
現在の首都高は日本橋区間から江戸橋ジャンクション(JCT)を経由して汐留方面に向かうことができるが、今回の地下化ではこのルートの新設は見送る。代わりに八重洲線やKK線を通って汐留方面に向かってもらうようにする。
国や首都高は八重洲線などを活用すれば、地下ルートを新設しなくても、これまで江戸橋JCTを経由して汐留方面に向かっていた車をさばけると判断した。
ただ八重洲線やKK線は機能強化が今後必要になる。現在片側1車線の八重洲線は片側2車線にする方針。KK線は耐荷重とカーブ区間の幅が足りず、現在は大型車の通行が禁止されている。今後はKK線の補強やカーブ区間の拡幅を検討する。別の路線を新設して大型車が都心で環状に通行できるようにする案も同時に検討するという。
今後は20年五輪後の着工に向け、都市計画など具体的な手続きに入る。地下ルートの新設は、現在の首都高の高架の下を流れる日本橋川の位置をいったんずらし、また元の場所に戻すなど技術的に難工事が予想されている。工事は10~20年かかる見込みで、地下ルートの完成後に現在の高架を撤去する。日本橋が青空を取り戻すのは30年代以降となる見通しだ。
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