[ワシントン 1日 ロイター] - 米労働省が発表した8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が15万6000人増となり、伸びは前月の18万9000人を含め、過去2か月間の底堅い水準から鈍化、予想の18万人も下回った。失業率は4.4%と、0.1%ポイント上昇した。
雇用増のペースは鈍化したものの、労働年齢人口の増加を吸収するのに必要な伸びである毎月7万5000-10万人程度を大きく上回っており、米連邦準備理事会(FRB)がバランスシートの縮小計画を発表するには十分な勢いを維持しているとみられる。ただ賃金の上昇ペースは依然として鈍いことから、FRBは年内の利上げには慎重となる可能性がある。6月、7月分の雇用創出数は39万9000人に達した。
RDQエコノミクス(ニューヨーク)の首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「FRBが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合でバランスシート縮小計画を開始することを阻む要因はまったく見当たらない」と述べた。
時間当たり賃金は前月比0.03ドル(0.1%)増となり、伸びは前月の0.3%増から鈍化。前年同月比では5カ月連続で2.5%増となった。
今回の雇用者数の伸びは今年の月平均である17万6000人を下回るが、季節要因や雇用のミスマッチによる影響が出た可能性もある。8月の統計は「当初弱めの数字となり、その後上方修正される傾向が明らかにある」(HFEの首席米国エコノミスト、ジム・オサリバン氏)という。
労働省は、テキサス州を直撃した大型ハリケーン「ハービー」について、今回の統計に有意な影響を及ぼしていないと説明。エコノミストらは、洪水被害が長引いた場合、9月の雇用統計に影響することはあり得るとした。
雇用者数の内訳では、製造業が3万6000人増となり、労働市場の底堅さを裏付ける格好となった。自動車は1万3700人増加。建設は2万8000人増と今年2月以降で最大となった。
一方、民間サービスの雇用者数は9万5000人増と、7月の17万9000人から鈍化し、今年3月以来の低い伸び。小売りは800人増。建設資材などが伸びる一方で、衣料関連で引き続きレイオフの動きがみられた。
非店舗小売りは700人増。オンライン小売のアマゾン・ドットコム(AMZN.O)は8月、5万人相当の新規雇用に向け、全米で就職説明会を開催した。
CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む12月の利上げ確率は約36%となっている。FRBは今年2回利上げを行っている。
*以下の図表もご覧ください。
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