近年急速に周辺開発が進み、利用客が急増している武蔵小杉駅の混雑緩和へ向け、川崎市が対策へ本腰を入れるといいます。朝には駅への入場待ち行列も発生している状況を、どのように打開するのでしょうか。
JRの駅は10年間で利用者1.8倍に
JR南武線と横須賀線(湘南新宿ライン含む)、東急東横線と目黒線が乗り入れる武蔵小杉駅(川崎市中原区)の周辺は、近年タワーマンションが多く建設されるなど、開発が急速に進んでいます。
これにともない駅の利用客も急増し、JR東日本横浜支社によると、現在朝の通勤時間帯には一部の駅改札へ入場待ちの行列が発生しているそうです。
JRの駅では、2006(平成18)年度に1日平均乗車人員(降車する人の数を含まない人数)が7万2846人だったのが、横須賀線ホームが開設された翌年度の2011(平成23)年度10万3624人に、2016年度には12万8079人と、10年間で約1.8倍に増えしました。駅における混雑の原因や今後の対策について、川崎市まちづくり局に聞きました。
――武蔵小杉駅の混雑はどのような状況なのでしょうか?
混雑対策が喫緊の課題ととらえています。特に横須賀線は島式ホーム(上下線のあいだにホームがある構造)であるため、混雑度が高くなっています。また、南武線ホームは上りと下りでホームが別々(相対式ホーム)ですが、特に下り(立川方面行き)ホームは東横線と横須賀線とを乗り換える人の通行が多く、乗車待ちの列と通過する人の列が錯綜している状況です。
ホーム拡幅、臨時改札新設 それでも抜本解決にはならず?
――具体的にどのように対策するのでしょうか?
南武線ホームの拡幅や、ホームドアの設置についてJRさんにもかねてから要望しています。ただ、特に横須賀線ホームは通常の列車のほか、「成田エクスプレス」といった特急なども停車し、それぞれで列車ドアの設置位置が異なることから、ホームドアの設置が難しい側面もあります。
――今後どのように進めていくのでしょうか?
2018年4月からは、まちづくり局の拠点整備室で担当していた一部業務を交通政策室に一本化させ、「小杉駅混雑対策担当」を設置します。ホームドア設置や車両の長編成化に向けた調整、オフピーク通勤の促進などをさらに進めるべく、関係各所と協議を重ねていきます。
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JR東日本横浜支社によると、「南武線ホームについては、横須賀線ホームとを行き来する方の通行が多い下り部分を拡幅し、入場待ちの列が発生している新南改札には、臨時改札とエスカレーターを新設します。この臨時改札およびエスカレーターは、コンコースを介すことなく、そのまま横須賀線ホームの横浜方に通じるもので、新南改札からホームへ向かうのと異なる動線をつくり、入場待ち列の緩和を図ります」と話します。いずれも2018年春の使用開始予定だそうです。
ただ、川崎市まちづくり局は「臨時改札は(横須賀線)ホームの混雑緩和にはつながりません。ホーム拡幅も含めた抜本的な対策が必要に向けて、引き続き協議をしていきます」と話します。
なお、東急の駅でも同様に利用者が増えており、2006(平成18)年度の1日平均乗降人員(降車する人を含めた人数。東横線と目黒線合計)から18万9817人、2016年度には22万2674人となっています。こちらはホームドアも設置済みで、東急電鉄は「運転見合わせなど異常時でない限りは入場規制などをかけるようなこともなく、武蔵小杉駅に特化した混雑対策などは行っていません」と話します。
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