【ワシントン=石川智規】米商務省は十六日、鉄鋼とアルミニウムの輸入が安全保障上の脅威になっているとして、追加関税や輸入制限を課す貿易制裁案をトランプ大統領に提出したと発表した。トランプ氏は四月中に制裁を実施するか判断する。実際に制裁措置が発動されれば、日本の対米輸出にも影響が出るほか、中国など各国との貿易摩擦が激化する恐れがある。
商務省は一月に制裁案をとりまとめ、トランプ氏に報告していた。この日公表された制裁案によると、鉄鋼とアルミの輸入拡大が「国家安全保障を損なう恐れがある」と指摘。高い関税を課したり、輸入数量を制限することなどを勧告した。
鉄鋼については三案を示し、(1)全ての国からの輸入に最低24%の関税を課す(2)中国や韓国など十二カ国からの輸入に最低53%の関税を課し、日本を含むその他の国からの輸入は二〇一七年の水準までしか認めない(3)全ての国からの輸入を一七年の63%の水準に制限する−とした。
アルミも(1)全ての国からの輸入に最低7・7%の関税を課す(2)中国、香港など五カ国・地域からの輸入に23・6%の関税を課し、その他の国からの輸入は一七年の水準までに制限する(3)全ての国からの輸入を一七年の86・7%の水準に制限する−三案を示した。
トランプ氏は鉄鋼に関しては四月十一日までに、アルミは同二十日までに輸入制限の是非を決める。
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