愛知労働局は4日、複数の事業所で長時間労働があったとして、労働基準法違反の疑いで名古屋市の運送会社を是正指導し、社名を公表した。電通の新入社員が2015年に過労自殺した事件を受け、国が1月、悪質な大企業名を公表する基準を見直して以降、全国的にも初めてのケースとなる。
公表された運送会社は名古屋市中区の大宝運輸。労働局によると、同社は昨年12月以降、運営する4事業所で計84人に、国が「過労死ライン」と定める80時間超の時間外、休日労働をさせたとされる。最長は197時間だった。
名古屋北労働基準監督署はことし1月以降、同社の2事業所で長時間労働を確認したため指導。立ち入り調査で改善がみられず、別の2事業所でも違反が判明したため、今回、木暮康二労働局長名で是正を指導し、社名を公表したという。
大宝運輸によると、運転手の不足が影響しており、今年1〜7月でみても入社17人に対し退社29人で大幅な人員減になったという。
小笠原忍社長は同日、名古屋市内で会見し、行政指導を受けたことについて「営業拠点の分散配置や運転手採用活動の強化、取引先の解約による仕事量の削減などに取り組んできたが、抜本的な改善には至らなかった。社員やその家族などにおわびしたい」と陳謝した。
同社はトラックによる貨物運送を主な業務とし、従業員は1000人。名証2部上場。
(中日新聞)
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