滑走路の長さは空港ごとにさまざまですが、そもそもどのくらいの長さが必要なのでしょうか。世界一長い滑走路、あるいは短い滑走路には、もちろんそれぞれに世界一となるべくしてなった理由がありました。
滑走路に必要な長さとは?
飛行機が離着陸するには滑走路が欠かせませんが、小型のセスナ機を運用する民間の空港から、大型旅客機が離着陸する国際空港の滑走路まで、その長さは様々です。
そもそも、航空機が離着陸に必要な滑走路の長さとは、どのくらいのものなのでしょうか。
まず言葉の定義ですが、航空機が地上で滑走を開始し、離陸して高度が35フィート(10.7m)に達する距離を「離陸距離」といい、滑走路の端を高度50フィート(15m)で通過し、航空機が停止するまでの距離が「着陸距離」となります。
一方、現代のジェット旅客機には離陸に際して速度の基準があり、離陸滑走中にエンジンなどのトラブルが発生した場合に、離陸を中止するか継続するかの操作を判断する「V1(離陸決定速)」、操縦桿を引き、機首の引き起こしを開始する「VR(ローテーション速度)」、航空機が地面から離れ、安全に離陸が続けられる「V2(安全離陸速度)」の3つがあります。
これらの要素から計算される、「『離陸距離』に15%の余裕を持たせた距離」「V1で離陸を中止にした際に必要な距離」「V1でエンジン1発が不作動となった場合に離陸を継続して高度35フィートに達するまでの距離」の、それぞれ3つのなかで1番長い距離と、「『着陸距離』に余裕を持たせた距離(乾いた路面で1.67倍、ぬれた路面で1.92倍)」を比べて、より距離の長い方が「安全運行において必要な滑走路の長さ」となります。
実際には搭載燃料や乗客の数、そして天候にも左右されますが、ボーイング737などの小型ジェット機は約1800m、ボーイング767などのワイドボディ機は約2000m、ボーイング747やA380などの大型機は3000m程度の距離が必要となっています。
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