東レは27日、子会社による製品データ改ざん問題で外部の有識者委員会(委員長=藤田昇三弁護士)がまとめた調査報告書を公表した。人手不足のなか納期に間に合わせようとしたことなどを動機として挙げた。調査委は「子会社経営層の品質保証への関心が薄かった」とも指摘しており、東レはグループ全体で品質管理体制の強化を急ぐ。
同日、グループ約250社の品質保証を統括する役員(チーフ・クオリティー・オフィサー=CQO)を早期に選任するほか、品質保証の着実な実行を監督する部署の設置を決めた。責任者への研修や職場のローテーション管理に加え、品質にかかわる顧客との契約が適正かどうかにも目を光らす。
調査委からの「コンプライアンス(法令順守)強化」の提言を受け、日覚昭広社長は「自分自身が率先垂範して東レグループの企業倫理の徹底に努め、全力で信頼回復に努める」とコメントした。東レは問題のあった子会社、東レハイブリッドコード(THC)の鈴木信博社長(当時)を12月1日付で事実上更迭するなど処分したほか、品質データの測定から証明書の発行まで人手を介さないシステムの導入など再発防止策を進めている。
調査委は「THCの品質保証室は人員が足りていない状態だった」「夜明けまで残業することもあり、時間外労働が常態化していた」と指摘しており、人員確保や省人化のための投資も必要になりそうだ。
THCの問題とは別に東レは18年3月末には本体やグループ全社を対象にした調査結果を公表する見通し。
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