スーパーコンピューターの開発を手掛けるベンチャー企業をめぐる国の助成金不正受給事件で、詐欺容疑で逮捕された「PEZY Computing(ペジーコンピューティング)」(東京都千代田区)社長の斉藤元章容疑者(49)が、逮捕容疑とは別の助成金も詐取していた疑いがあることが24日、関係者への取材で分かった。斉藤容疑者が経営に携わるスパコン関連会社にはこれまで国から計約100億円の公的資金の投入が認められており、東京地検特捜部は全容解明を急ぐ。
斉藤容疑者は元事業開発部長の鈴木大介容疑者(47)と共謀し、経済産業省が所管する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成金約4億3100万円をだまし取ったとして逮捕された。
斉藤容疑者はペジー社のほかにも「ExaScaler(エクサスケーラー)」や「ウルトラメモリ」などスパコン関連会社4社の運営に携わっていた。関係者によると、斉藤容疑者はスパコン開発費の捻出に苦労していたとされる。ウルトラメモリ社への業務委託費を水増しし、虚偽の実績報告書をNEDOに提出していたという。
斉藤容疑者は関連会社への「外注」を装うことで、事業費水増し発覚を逃れようとした可能性があり、逮捕容疑とは別の助成金についても不正受給していた疑いがあるという。
特捜部の調べに対し、斉藤容疑者は「別の研究開発に充てるため資金が必要だった」と容疑を認め、NEDOに提出された書類の作成に関わっていた鈴木容疑者も「社長(斉藤容疑者)の指示でやった」と供述しているという。
NEDOによると、ペジー社は平成22〜29年度、今回のメモリーデバイスを含め5事業でNEDOから助成金を得ており、総額は計約35億2400万円に上る。
このほか、ウルトラメモリ社が数億円の助成金を受領。エクサスケーラー社は、文部科学省所管の国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)から産学共同実用化開発事業名目で60億円の無利子融資が認められ、すでに約52億円が融資された。斉藤容疑者の関連会社に、計100億円もの公的資金の投入が国から認められたことになる。
ペジー社などが開発したスパコン「暁光(ぎょうこう)」は世界ランキングの計算速度部門で4位になったが、実用面での課題を指摘する声もあったという。特捜部は助成決定の経緯についても慎重に調べを進めるもようだ。
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