2017年12月31日日曜日

飲食店悩ます「無断キャンセル」 少ない店側損賠請求と若い世代に多発のワケ

 年が明ければ新年会のこの時期。予約をしておきながら、当日に連絡なしで来店しない「無断キャンセル」が相次ぎ、本来ならかき入れ時の飲食店を悩ませている。店側によると、無断キャンセルは若い世代の幹事に多いとみられ、連絡しても「じゃあキャンセルで」などと反省の意思がないケースも多いという。背景に若い世代を中心に、勤め先での酒席の減少傾向や気軽なインターネット予約の普及などが挙げられ、「店との付き合い方を理解していないのでは」との声が出ている。(社会部 福田涼太郎)

「人数調整もあって」…後日に言い訳

 「これ、どうしよう…」

 忘年会シーズンまっただ中の12月15日夜、自らが丹精込めて作った30人分の料理を前に女性は呆然(ぼうぜん)と立ち尽くした。貸し切りで30人の団体予約が入っていたが、時間になっても一人として姿を現さず、連絡も取れなかった。

 大阪市内で女性が夫とともに経営する店に予約の電話があったのは、予約日から2週間ほど前のこと。電話は若い男性の声だった。店のことは飲食店検索サイトで知ったという。店は客席14席と小さいため、「30人も着席できない」と伝えると、「いすはいらない。立食でお願いします」と答えたので予約を受けた。

 人数変更を受け付ける期限の予約2日前までに連絡はなかった。このため、食材を調達し始め、少しでもスペースを確保しようと店内のレイアウトを変更。通常は1人のアルバイトを2人に増員して臨んだ。

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