明確な権限を持った管理者がいない
香港ではビットコインATMも設置されている(写真:AP/アフロ)
ビットコインの価格は、2017年12月半ばに一時1ビットコイン1万9000ドル台に達し、日本円では200万円を超えるまで上昇した。年初は1000ドル弱、10万円程度だったから、1年間で約20倍になった勘定だ。その後は12月22日には一時1万3000ドル台を割り込むなど、激しい値動きが続いている。
ビットコインの価格が急速に上昇してきた背景には、日本で2017年4月から改正資金決済法が施行され仮想通貨に関する制度整備が進んだことや、12月からシカゴ・オプション取引所(CBOE)とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でビットコインの先物取引が開始されるなど、ビットコインの取引の環境整備が進んだことがある。
しかし、2017年はビットコインにとって追い風ばかりが吹いていたわけではない。年初には中国政府が大手仮想通貨取引所に立ち入り調査を行い、信用取引が停止された。さらに9月初めには、ICO(イニシャル・コイン・オファリング、新たな仮想通貨の発行による資金調達)を禁止する通達が出され、10月末には仮想通貨取引は業務停止に追い込まれており、現時点では再開のメドはたっていない。それまでビットコインの取引の多くが中国で行われていたが急減し、代わって日本や韓国での取引のシェアが高まった。
ビットコインには希少性がある?
また分裂騒ぎによる価格の下落もあった。ビットコインは、8月に分裂してビットコインキャッシュが誕生し、10月にビットコインゴールド、11月にはビットコインダイヤモンドが生まれ、さらに分裂を続けている。
最初に分裂する直前には、分裂による混乱や仮想通貨の供給増によるビットコインの価格低下を懸念して、ビットコインの価格は3割程度も下落した。しかし分裂後も、ビットコインもビットコインキャッシュも問題なく取引が続けられたことから価格はむしろ上昇し、その後は分裂のうわさで価格上昇速度が加速するようになった。
分裂とはいっても、ビットコインが2つできてしまったわけではなく、8月にはビットコインを所有していた人達に同数のビットコインキャッシュが配布された。保有しているビットコインがそのまま残った上に、新たに作られた仮想通貨がタダで手に入ったと考えた人も多数おり、ビットコインの価格上昇に拍車をかけた。
0 件のコメント:
コメントを投稿