［東京 １３日 ロイター］ - 金融庁は１３日、コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186.T)傘下の東日本銀行に対し、銀行法に基づく業務改善命令を出したと正式発表した。立ち入り検査の結果、融資に当たって金利以外に根拠が不明確な手数料を取るなど不適切な行為が判明。融資の審査態勢も不十分だった。金融庁は、同行のガバナンスが機能不全に陥っているとみて、経営責任の明確化や内部管理体制の改善を求めた。
金融庁は、１）経営責任の明確化、２）法令等順守態勢や顧客本位の業務運営態勢の確立と全行的な意識の向上、３）営業店や本部関係部署における相互けん制機能の確立、４）内部監査態勢の確立――について、８月１３日までに報告書を提出するよう命じた。
金融庁の立入検査の結果、東日本銀の数多くの支店で、融資に際して対価となるサービス内容が不明または算定根拠が不透明な手数料を取ったり、必要額以上に融資してその一部を定期預金に回させる「歩積み・両建て」が行われていたことが判明。東日本銀は顧客に対し、不当な負担を強いていたにもかかわらず、監査部のチェックは形式的でこうした不正を見抜けなかった。
一方、特定の副支店長が、営業成績を上げるために融資先に実態のない営業所の登記を行わせ、支店長を欺いてまで支店長専決権限を行使させるといった不適切な融資を多数実行し、多額の損失を発生させていたことも発覚。支店長は融資先の営業実態や資金使途を十分に確認せず、融資実行を決裁していた。
東日本銀では、投資信託の販売についても虚偽の報告が数多くの支店で横行していたという。
金融庁は、東日本銀の経営陣が新規取引獲得を重視しすぎるあまり、目先の収益を優先し、内部管理体制を敷いてこなかったと判断。行政処分に踏み切った。
＊内容を追加しました。
和田崇彦
0 件のコメント:
コメントを投稿