NTTドコモの吉澤和弘社長は10月31日、2018年度上半期(4〜9月)の決算会見に登壇。携帯電話事業の今後の方針について言及し、「19年第1四半期までに料金プランを2〜4割値下げする」「19年度中にドコモショップの滞在時間を半減させる」と明言した。
一連の顧客還元策を推進するため、「年間で最大4000億円規模の投資を行う」(吉澤社長)という。値下げ・投資の反動で、19年度以降はいったん減収減益を見込むが、金融・決済などスマートライフ事業や、5G(第5世代移動通信システム)関連事業でカバーする計画。
売上高は21年度に5兆円、営業利益は23年度に17年度水準(9900億円)への回復を目指す。
調査で約半数の顧客が「プラン分かりにくい」
吉澤社長によると、ドコモが事前に顧客調査を行った結果、同社の料金プランが「分かりやすい」と答えた人は23%、「分かりにくい」は48%。「もっとシンプルにしてほしい」「分かりづらい」「仕組みが複雑で、Webサイトを見ても理解しきれない」――といった意見も出たという。
「このような声を真摯(しんし)に受け止め、お客さんに選べれ続けるドコモになるために、料金プランをシンプルで分かりやすくすることを決めた」(吉澤社長)
吉澤社長は19年に予定されている楽天の携帯事業参入についても触れ、「来年から新規事業者が参入してくるため、市場が変化することが想定される。そのため、先んじて競争力を強化する」と話した。
値下げした料金プランの詳細は未定で、19年第1四半期に詳細を発表する予定。
吉澤社長は「『ドコモの料金はこれ一本で行ける』というような、分かりやすいプランを発表したい」と強調した。
来店予約枠を拡大した店舗、19年度には1000店に
また、これまでのドコモショップは、顧客が接客を受ける際に長い待ち時間が発生。その後の各種説明、契約手続き、初期設定・データ移行――などに多くの工程を要し、トータルで1人当たり2時間の滞在時間が生じていた。
これを改善するため、今後は待ち時間と説明手続きを半分に短縮し、初期設定・データ移行は希望者のみに提供する。
吉澤社長は「(顧客に)大変なご迷惑をおかけしている。改善に向け、まずは来店予約の枠を拡大した店舗を18年度中に300店舗、19年度には1000店舗まで増やす。説明方法の見直しなども実施していく」と計画を話した。
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