2018年10月29日月曜日

PS4盤石のソニー、「クラウド戦」に備え-発売5年も売れ行き好調

ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」はゲームのラスボス(最後の敵)のように手ごわい。

発売開始から5年が経過したPS4は、継続的に販売した人気ゲームの効果で、好調な売れ行きが続く。前型機のようなペースで値下げをしていないにもかかわらず、出荷数は米マイクロソフトの「Xbox One(エックスボックス・ワン)」の2倍超だ。

PS4のおかげで、ソニーはインターネットを通じてゲームが配信されるクラウドゲームの時代の戦いにも備えができている。インターネット上で情報を処理するクラウドがゲーム機を時代遅れにすると数年にわたり予想されてきたが、ようやく舞台が整ってきた。

米グーグルのゲームサービス「プロジェクト ストリーム」では、人気ゲーム「アサシン クリード」の最新作を同社のブラウザー「クローム」を通じ、どの端末からでも遊ぶことができる。ゲーム配信のツイッチを買収し、クラウドサービスでも優位を保つ米アマゾン・ドット・コムは、クラウドゲームに攻め込むのに最良の立場にいる。

ゴールドマン・サックス証券の杉山賢アナリストは、「プレイステーションの歴史の中で、一番盛り上がる年末商戦が次の四半期に控えている」と述べた。「今まではマイクロソフトしかライバルがいなかったが、グーグルとアマゾンも入る中、どうやって差別化を図るのか」が難題だという。

マイクロソフトも黙って見ているわけではない。来年には、世界規模のクラウドサービス「アジュール」を用い、どの端末でも高機能のゲームで遊べるようになる。グーグルのクラウドゲームサービス「プロジェクトストリーム」の評価は高く、ゲーム機やパソコンを所有しなくても、同様のゲーム体験ができると評判だ。

現時点では、Xboxの販売台数3900万台を大幅に上回るPS4の8400万台という規模が、ソニーに恩恵をもたらしている。アナリストらはソニーに追い風が吹いているとし、今期は約7900億円の営業利益を上げると予想。吉田憲一郎社長兼最高経営責任者(CEO)が30日に発表する7-9月期決算では、同社の販売記録を塗り替えたPS4向けのスパイダーマンの新作が最大の利益貢献になるとみている。

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