2018年10月29日月曜日

米IBM、レッド・ハット買収で合意-3.7兆円と過去最大規模

コンピューターサービスを手掛ける米IBMはソフトウェアメーカーの米レッド・ハッの買収で合意した。買収額は334億ドル(約3兆7400億円)と、IBMとしては過去最大規模。

  両社の発表資料によれば、IBMは1株当たり現金190ドルを支払う。これはレッド・ハットの26日の株価終値を63%上回る水準。ブルームバーグはIBMによるレッド・ハット買収の合意が近いと先に報じていた。

  IBMのジニ・ロメッティ会長兼最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「レッド・ハットの買収は大変革をもたらすものだ。クラウド市場巡る全てを変える」と説明した。

  オープンソースの基本ソフト(OS)「リナックス」を使ったソフトウエアやサービスを提供するレッド・ハットは大口顧客からの受注が相次いでおり、今年の売上高は初めて30億ドルを上回る見通し。JMPセキュリティーズのアナリスト、グレッグ・マクダウエル氏によると、7-9月(第3四半期)にレッド・ハットは500万ドル超の受注が過去最高の11件となり、100万ドル超の受注も73件に上った。

  しかし7-9月期の売上高全体と10-12月(第4四半期)売上高見通しが共にアナリスト予想を下回ったため、レッド・ハットは競合他社から契約を奪われており、成長が鈍化しているのではないかとの懸念が強まっていた。レッド・ハットは7-9月期決算時には、成長鈍化は「底を打った」とみていると説明していた。ブルームバーグ集計データによると、同社の株価は26日までの半年間で28%下げている。

  時価総額1140億ドルのIBMは、ロメッティ氏が2012年にCEOに就任して以来、売上高が約25%縮小している。その一部は資産売却によるものだが、大部分は既存のハードウエア、ソフトウエア、サービス事業の売り上げ減少が要因。創業107年の老舗企業は新興企業との競争で苦戦している。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アヌラグ・ラナ氏は、レッド・ハット買収によりIBMは「プライベートクラウドとハイブリッドクラウドの双方で信頼できる企業になる」と指摘。「後ろではなく前を向いた資産を得られる」と説明した。

  レッド・ハット買収の助言と資金を提供したのはJPモルガン・チェースだった。

原題:IBM to Buy Red Hat for $33 Billion in Biggest-Ever Acquisition(抜粋)

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Read Again https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-28/PHBMKX6JTSEA01?srnd=cojp-v2

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