9月1日に発売される2代目「N-BOX」(左)と「N-BOX カスタム」(右) 本田技研工業は、軽トールワゴン「N-BOX」をフルモデルチェンジして9月1日に発売する。価格はN-BOXが138万5640円~188万280円、N-BOX カスタムが169万8840円~208万80円。
N-BOX カスタム
タイプ | エンジン | トランスミッション | 駆動方式 | 価格 |
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G・L Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,698,840円 |
4WD | 1,829,520円 |
G・L ターボ Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ | CVT(7スピードモード付き)+パドルシフト | 2WD(FF) | 1,895,400円 |
4WD | 2,026,080円 |
G・EX Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,752,840円 |
4WD | 1,883,520円 |
G・EX ターボ Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ | CVT(7スピードモード付き)+パドルシフト | 2WD(FF) | 1,949,400円 |
4WD | 2,080,080円 |
N-BOXは、2011年12月に初代モデルが発売されたホンダの軽乗用車「Nシリーズ」の第1弾。シリーズの車名に共通して使われるNは、「NEW」「NEXT」「NIPPON」「NORIMONO」のそれぞれの頭文字であるほか、このNシリーズが1966年にホンダ初の量産軽乗用車として発表された「N360」にルーツを持つことを表現している。
ホンダの軽乗用車事業全体の刷新を期して発売された初代N-BOX(発売当時の車名はN BOX)は、2012年7月に「N-BOX+」、2014年12月に「N-BOX スラッシュ」といったシリーズモデルの展開を受けつつ、2012年度、2013年度、2015年度、2016年度の軽自動車車名別販売台数ランキングで年間トップを獲得。発売からこの4月までにシリーズ累計107万台以上を販売する大ヒット車種となっている。
初のモデルチェンジによって2代目となる新しいN-BOXは、5月25日にオープンした「新型N-BOX先行情報サイト」を通じ、内外装のデザインや先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全グレードで標準装備すること、ホンダ車として初めて「後方誤発進抑制機能」を搭載し、助手席が前後に570mmスライドする新開発の「助手席スーパースライドシート」をラインアップするといった情報がすでに公開されている。また、2代目の開発では「日本の家族のしあわせのために」をグランドコンセプトに採用。初代N-BOXでユーザーのメインとなっていた“子育てママ”の多忙な日々をしっかりサポートできるよう開発に取り組んだという。
外観デザインは、N-BOXは初代モデルのイメージを継承しながら「N-BOXらしさ」「洗練・上質」をキーワードにブラッシュアップ。シンプルでクリーンな面構成で親しみやすさや品格を感じさせつつ、要所にエッジを効かせたセクション(仕切り部)を設定して軽快さや存在感をアピールしている。
N-BOX カスタムは「セレブリティ・スタイル」をテーマにフロントマスクを一新。アッパーグリルのメッキバーをヘッドライト内部まで連続させ、ヘッドライト外周に「3Dイルミネーションポジションランプ」を設定してワイド感を強調。また、軽乗用車で初めての装備である「シーケンシャルターンシグナルランプ」はホンダ車として初採用となった。
このほかに外装では、ボンネットやドアパネル、フロントフェンダー、リアハッチなどにサビに強い亜鉛メッキ鋼板を採用。ルーフサイドの溶接では樹脂製ルーフモールの装着が不要となるレーザーブレーズ溶接をホンダの軽乗用車として初めて用いて上質感を際立たせている。
N-BOX G・EX Honda SENSINGのサイドビュー N-BOX G・L Honda SENSINGのリアビュー ボディサイズイメージ(車両はN-BOX G・Honda SENSINGの2WD車)。ボディサイズは2WD(FF)車と4WD車で全高が異なり、2WD車は3395×1475×1790mm(全長×全幅×全高)、4WD車は3395×1475×1815mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2520mm 全車で「フルLEDヘッドライト」を標準装備。N-BOX(左)はプロジェクタータイプ、N-BOX カスタム(右)は9灯式のマルチリフレクタータイプを採用し、“流れるウインカー”こと「シーケンシャルターンシグナルランプ」を軽乗用車で初採用 N-BOX カスタムは「LEDフォグライト+クロームメッキフォグライトガーニッシュ」も標準装備 LEDリアコンビネーションランプ(ストップランプ&テールランプ)を全車で標準装備。N-BOX カスタム(右)はフルLEDのクリアタイプとなる ルーフサイドの溶接に、「クラリティ フューエルセル」以来となるレーザーブレーズ溶接を使用。樹脂製ルーフモールが不要になり一体感が出るほか、黒以外の2トーンルーフが映える仕様となっている タイヤは、N-BOX全車とN-BOX カスタムで155/65 R14 75S、N-BOX カスタムのターボエンジン搭載車で165/55 R15 75Vを採用。ホイールはN-BOX全車でスチールホイール+フルホイールキャップ(左)、N-BOX カスタムの自然吸気エンジン搭載車で14インチアルミホイール(中央)、N-BOX カスタムのターボエンジン搭載車で15インチアルミホイール(右)を標準装備 ボディカラーは、N-BOXに“透明感のあるブルーからオパールゴールドがやさしく浮かび上がる”という「モーニングミストブルー・メタリック」、N-BOX カスタムに“高級感が漂うダークブロンズから、ルージュブロンズやグリーンブロンズに絶妙に変化する”という「プレミアムグラマラスブロンズ・パール」をそれぞれ新色として設定。全体でN-BOXにモノトーン10色、2トーンカラー4色の14種類を設定。N-BOX カスタムにモノトーン7色、2トーンカラー5色の12種類を設定する。
N-BOXの新色「モーニングミストブルー・メタリック」 N-BOX カスタムの新色「プレミアムグラマラスブロンズ・パール」 ブリリアントスポーティブルー・メタリック×ブラック 車内空間のパッケージイメージ。全長や全幅、ホイールベースは初代と変わっていないが、エンジンルームのコンパクト化などによってキャビンスペースを拡大している N-BOXシリーズは初代モデルから車内空間の広さが高く評価されていたが、2代目の開発でもエンジンルームのさらなるコンパクト化やリアハッチの薄型化などを追求。
フロントシートとリアシートの乗員間距離であるタンデムディスタンスが25mm増え、リアシートを最も下げたときの荷室前後長も25mm拡大。リアシートを前倒しにした場合の荷室高も25~55mm拡大したほか、テールゲート開口部の地上高を75mm引き下げ。ラゲッジスペース容量を拡大したほか荷物の載せ降ろしを容易にしている。
一部グレードに助手席が前後に570mmスライドする「スーパースライドシート仕様」を設定。助手席のシートベルトはシート内蔵型となる シート仕様は初代モデルと同じ「ベンチシート仕様」に加え、グレード名に“EX”が入るモデルではセパレートシートを備え、助手席が前後に570mmロングスライドする「スーパースライドシート仕様」を設定。このスライドを実現する長いレールをフロアに設置するため、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」の燃料タンクを改良。助手席下になるタンク左側を70mm薄型化したほか、4WD車ではプロペラシャフトを回避する「鞍型燃料タンク」を採用。さらに車両前方に備えるエアコンユニットも新設計し、車両中央部分に集中配置できるようにして助手席のレッグスペースを拡大した。
また、フロントシートを分割してセンターウォークスルーができるようになり、これまではリアシートに固定したチャイルドシートに子供を座らせたあと、1回車外に出て運転席や助手席に移動するシーンも出ていたが、スーパースライドシート仕様ではそのままフロントシートに移動して走り出せるようになったこともメリットになっているという。
このほか、後方に傾斜したラゲッジフロアと格納式のアルミスロープ(オプション)を持つ派生モデルのN-BOX+シリーズは2代目N-BOXの発売に伴いベースモデルに統合。スロープの展開方法などを大幅に簡略化した「スロープ仕様」として2018年春に追加予定となっている。
助手席は前方にも大きくスライドし、リアシートの前に広いスペースを作り出せる。リアシートは左右独立して190mm前後スライド。乗車人数や荷物の量に合わせてさまざまなアレンジが可能となっている リアシートはチップアップ&ダイブダウン機能やシートバックの3段階リクライニングなどを持つ 樹脂製の燃料タンクは2WD車用、4WD車用ともに新設計。4WD車用の「鞍型燃料タンク」の助手席下には、新開発した「超低床ポンプモジュール」がセットされる テールゲート開口部の地上高を75mm引き下げ。ラゲッジスペース容量が拡大して荷物の載せ降ろしが容易になった。2018年春には「スロープ仕様」も追加予定 インテリアは、N-BOXでは「HAPPY&MODERN」をキーワードに、明るめの内装色を使ったくつろぎの空間を表現。N-BOX カスタムでは外観デザインと同じ「セレブリティ・スタイル」をテーマに、ブラックを内装色の基調としつつ、助手席前方やドアトリム、ステアリングなどの加飾に光の当たり方によって色味を変化させるブロンズパネルを設置。精悍さのなかに妖艶さを内在させる大人の世界観を演出している。
このほかに内装では、横方向に広がるメーターパネルをステアリングの上側から見るスタイルの「アウトホイールメーター」を導入。メーター左側には4.2インチ大型カラー液晶を使うマルチインフォメーション・ディスプレイを全車標準装備する。運転席の前方にあるAピラーは初代モデルから約27mm細くして視界を広げる「極細フロントピラー」を採用。部材に1180MPa級の超高張力鋼板を使い、形状や組み付け方法などを最適化して、初代の82mmから新型では55mmにシェイプアップしている。
上がN-BOXのベンチシート仕様、下がスーパースライドシート仕様のインテリア。センターコンソール下側の形状が異なり、スーパースライドシート仕様の方が助手席をより前方までスライドさせられることが見て取れる 上がN-BOX カスタムのベンチシート仕様、下がスーパースライドシート仕様のインテリア。「左右独立式リアセンターアームレスト」はターボエンジン搭載車に標準装備 N-BOXは全車ベージュ×グレージュ色のトリコットシートを標準装備。“子育てママ”が気軽に使えるよう、汚れが目立ちにくい配色としている N-BOX カスタムの自然吸気エンジン搭載車はブラック×バーガンディ色のトリコットシートを装着 N-BOX カスタムのターボエンジン搭載車はブラック×バーガンディ色のプライムスムース×トリコットコンビシートを装着 4WD車では「運転席&助手席シートヒーター」を標準装備 1180MPa級の超高張力鋼板を使うなどの工夫で初代の82mmから55mmに細くして運転席からの視界を広げた「極細フロントピラー」を採用。助手席側の「サイドビューサポートミラー」は上下のミラー配置をこれまでと逆転。上のミラーで左タイヤ前方、下のミラーで助手席側のドア下付近を映す構造とした 水平方向にメーターを広く配置する「アウトホイールメーター」。メーター内左側にあるマルチインフォメーション・ディスプレイには全車に標準装備するホンダ センシングの機能表示に加え、燃費やタイヤ角度モニターなどの情報を選択表示できる N-BOX カスタムの車内演出として、助手席前方にあるインパネトレイの夜間照明として、暖かみを感じさせる「キャンドルホワイト・スポットライト」を採用 ターボエンジン搭載車は、パドルシフトを備える本革ステアリングホイールを標準装備 4WD車は「親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラス」を標準装備 UV(紫外線)を約99%カットし、車内温度を高めるIR(赤外線)も軽減する機能を持ったガラスを全ウィンドウに採用する「360°スーパーUV・IRカットパッケージ」を全車標準装備 パワースライドドアは、G・Honda SENSING以外のグレードで助手席側に標準装備。ターボエンジン搭載車は運転席側も標準装備で、G・Honda SENSING以外のグレードはオプション設定となる スライドドアに内蔵する「ロールサンシェイド」はG・Honda SENSING以外のグレードに標準装備 「PM2.5対応高性能集塵フィルター」を備えるフルオートエアコンを全車標準装備。N-BOXのG・EX Honda SENSINGとG・EX ターボ Honda SENSING、N-BOX カスタム全車ではプラズマクラスター技術も搭載される G・Honda SENSING以外のグレードで標準装備する「充電用USBジャック(急速充電対応タイプ2個付)」 自然吸気エンジンに「VTEC」採用。燃費の最高値は27.0km/Lに向上
エンジンは骨格部分からの再設計を実施して、従来の「S07A」型から「S07B」型に進化。これまでと同じく自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を用意し、自然吸気エンジンには「VTEC」、ターボエンジンには「電動ウェイストゲート」をそれぞれ軽乗用車で初めて採用したことが大きなトピックとなる。
これにより、自然吸気エンジンでは従来から採用している「VTC」と組み合わせて吸排気の効率を大きく高め、低速から高速まで軽快な加速性能を発揮しつつ燃費性能も向上させている。また、ターボエンジンではエンジンからの排出ガスの一部がターボタービンに流入しないよう迂回させるウェイストゲートを電動アクチュエーターで制御し、ターボによる過給圧を適切に調整してエンジンレスポンスを向上させ、低燃費化にも貢献する。
自然吸気の「S07B」型エンジンは最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65Nm(6.6kgm)/4800rpmを発生 写真内の手前側にある吸気カムシャフト左側に設置されているのがVTEC。右側のタイミングチェーン側にあるVTCと合わせて吸排気を効率化 VTECが追加されることで、VTCのみの場合よりも高回転側でエンジン性能が高まる ターボエンジンには電動アクチュエーターで開閉を操作する電動ウェイストゲートが追加された また、エンジンのボア×ストロークを従来の64.0×68.2mmから60.0×77.6mmに変更。ボアの小径化で燃焼室の表面積が縮小され、冷却損失が抑えられることに加え、点火プラグと燃焼室末端の距離が近くなって耐ノッキング性能が向上する。さらにピストンを高速化してシリンダー内部のタンブル流(縦渦)が強まり、急速燃焼が実現されるという。
このほか、吸排気ポートの形状に合わせた独自形状の燃焼室を新開発。タンブル流をスムーズ化したほか、ピストンヘッドに半球状の凹みを設定し、タンブル流をキープしながら混合気を点火プラグ近くに集中。安定した急速燃焼を実現している。吸排気のバルブには傘裏面を鏡のように平滑化した「鏡面バルブ」を世界初採用。燃焼室内に取り込んだフレッシュエアが高熱化したバルブと接触する面積を減らし、フレッシュエアが温まりにくいようにして耐ノッキング性能を向上させ、レギュラーガソリン仕様でありながら、自然吸気エンジンでは12.0の高圧縮比を手に入れた。
ロングストローク化された新しいエンジン骨格により、ピストンスピードが高速化されてシリンダー内部のタンブル流が強化された 独自形状の燃焼室を新たに開発し、ピストンヘッドに半球状の凹みを設定して安定した急速燃焼を実現 エンジンマウントは配置を最適化したほか、サイドマウントを液封タイプとしてエンジンの動きを抑制。静粛性と乗り心地の向上を両立している 全車で利用するトルクコンバーター付CVTでは、新たに「2系統吐出オイルポンプシステム」を導入。これまでのCVTではプーリー系で使う高い油圧と潤滑系で使う低い油圧を1つのオイルポンプで供給しており、走行状況によっては必要以上にオイルを供給するロスが発生していた。これを高油圧向けのメインローター、低油圧向けのサブローターに分離することで、走行状況に応じた油圧が最適に供給できるようになり仕事量の軽減を図り、燃費向上を実現している。
また、金属ベルトを挟むプーリーをφ150mmからφ160mmに大径化して受圧面積を拡大。より低い油圧でプーリーが作動できるようにしたほか、プーリーの表面性状の改良、摩擦係数の高いCVTオイルの採用などによってオイルポンプの仕事量が約33%低減されている。
このほかにも車両重量の軽量化などが行なわれ、JC08モード燃費は2WD車で25.0km/L~27.0km/L(初代モデルは22.0km/L~25.6km/L)、4WD車で23.0km/L~25.4km/L(初代モデルは20.8km/L~23.6km/L)に向上している。
CVTでは仕事量を走行状況に応じて最適化できる「2系統吐出オイルポンプシステム」を新採用。ほかにもプーリーの大径化や摩擦係数の高いCVTオイルの採用などによってオイルポンプの仕事量を約33%低減。燃費の最高値を27.0km/Lまで向上させた 新型N-BOXで使っている高張力鋼板の分布図。全体の約47%に780MPa級以上の高張力鋼板を使用している 外観デザインは初代モデルのイメージを踏襲しているN-BOXだが、プラットフォームは約9割の構成部品で見直しを行なって一新。高張力鋼板の積極的な導入によって780MPa級以上の高張力鋼板の使用率を従来の約15%から約47%に高め、従来は使っていなかった1180MPa級の超高張力鋼板をサイドパネルなど全体の11.7%に使用。とくに凹凸が大きく加工が難しいセンターピラーのアウターパネルに1180MPa級の超高張力鋼板を使用するのはこれが初めてになるという。
また、フロア構造に衝突エネルギーを効率よく分散・吸収する「トラス構造フロントフレーム」を使い、車両前方側からの衝撃をフロアクロスメンバーやサイドシルフレームで受け止める。
前面衝突のエネルギーはエンジンの後退量を増やすことでも吸収し、さらにフロントドアにもエネルギーを伝えてキャビンの変形を抑制する「ドアロードパス構造」を特許技術として導入している。側面衝突時に対してはサイドフレームとフロアクロスメンバーの断面形状や強度の最適化に加え、衝突エネルギーを衝突していない側面のサイドフレームにも伝達して吸収。後方からの衝突エネルギーはビードを設けたリアフレームを安定的に圧壊させて吸収する方式としている。
このほか、ドア開口部にローラー状の電極を使って連続的に溶接する「シーム溶接」を軽乗用車で初採用。フロアクロスメンバーなどの骨格接合には高粘度接着剤を溶接と併用して剛性向上を図った。これらのほかにも内外装、電装部品、パワートレーンなどで軽量化を推し進め、全体で150kgの軽量化を達成。この状態からホンダ センシング関連や「前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグ」といった安全装備、「ナビ装着用スペシャルパッケージETC車載器」やキャビンの静粛性を高める防音材や遮音材の追加、走りを安定させるフロントスタビライザーなど、さまざまな装備を追加する商品力強化で70kg分が重量増となり、最終的に約80kgの軽量化を果たすことになっている。
高張力鋼板の使用に加え、構造面の衝突対応技術も進化。前面衝突ではドア内部の骨格にも衝突エネルギー分散してキャビンの変形を抑制する フロア下で新たに「トラス構造フロントフレーム」を採用。高い衝突安全性能を実現しつつ大きく軽量化し、基本骨格だけで約15%の軽量化となっている ローラー状の電極で連続的に溶接する「シーム溶接」をドア開口部に採用。フロアの骨格結合には高粘度接着剤を併用して剛性を強化 防音材などの配置状況。N-BOX カスタムはドアライニングインシュレーターも追加してクルーズ走行時の静粛性を高めている サスペンション形式はフロントが全車マクファーソンストラット式、リアは2WD車がH型トーションビーム式、4WD車がド・ディオン式で初代から変更はないが、ダンパーに路面の荒れなどによる細かな上下動を効率よく吸収し、コーナーではボディのロールを適切にコントロールする高性能ダンパーを全車で採用。フロントサスペンションはダンパーロッドをφ18mmからφ20mmに太くして中空化を実施。ナックルやスタビライザーリンクもスチールからアルミに変更して軽量化を図り、ばね下重量を軽減してタイヤの路面追従性を向上させた。
また、2WD車のリアサスペンションでは、ボディ側で保持するコンプライアンスブッシュをφ58mmからφ65mmにサイズアップして振動の吸収を高めたほか、リアスタビライザーを標準装備。スタビライザーの追加でロール剛性を高めた一方でメインスプリングのバネレートを低下。安定感のある走行性能と快適な乗り心地を両立させている。
このほかブレーキを自動制御してドライバーのステアリング操作をアシストする「アジャイルハンドリングアシスト」を全車に標準装備。ステアリング操作の初期段階でイン側のフロントタイヤに軽くブレーキを効かせて旋回力を高めるほか、ステアリングを戻して直進状態にする際にはアウト側のフロントタイヤにブレーキを効かせて収束性を向上させる。また、ブレーキには軽乗用車で初めて「ハイドロリック・ブレーキ・ブースト」を全車標準装備。車両の状態とブレーキ操作をモニタリングしてドライバーが求める制動力を推定。必要に応じてVSAがブレーキ油圧を補ってドライバーの操作に忠実な制動力を発生する。
2WD車のリアサスペンションでは、ボディ側のコンプライアンスブッシュをφ58mmからφ65mmにサイズアップし、リアスタビライザーを標準装備。安定感のある走行性能と快適な乗り心地を両立させた 「アジャイルハンドリングアシスト」を全車に標準装備 「ハイドロリック・ブレーキ・ブースト」を軽乗用車で初採用した N-BOXのホンダ センシングは、フロントウィンドウの単眼カメラとフロントアンダーグリル運転席側のミリ波レーダーを組み合わせて車両前方の状態を検知 新たに全車で標準装備することになった先進安全運転支援システムのホンダ センシングでは、ホンダ車として初めて「後方誤発進抑制機能」を追加。また、7月に発売された新型「グレイス」でホンダ車初搭載となった「オートハイビーム」も採用し、「CMBS(衝突軽減ブレーキ)」「歩行者事故低減ステアリング」「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」など10種類の先進機能を備えている。
ホンダ車初採用の「後方誤発進抑制機能」。車両後方に障害物があると検知しているときにRレンジでアクセルを強く踏むとエンジン出力を抑制。さらに音と画面表示で危険を知らせる 先行車や対向車などを検知してヘッドライトのハイとローを切り替える「オートハイビーム」を「グレイス」に続いて設定 歩行者や対向車にも対応する「CMBS(衝突軽減ブレーキ)」 走行中の車線を外れて歩行者との衝突を予測したときにステアリング制御などで回避操作を支援する「歩行者事故低減ステアリング」 ステアリングやブレーキを制御して車線から外れないようにアシストする「路外逸脱抑制機能」 前方を走る車両との車間距離を設定に合わせて調節する「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」 車線中央を走るようにステアリング操作をアシストする「LKAS(車線維持支援システム)」 前方の車両が走り出したことをブザー音などで知らせる「先行車発進お知らせ機能」 障害物がある場合の急発進を抑制する「誤発進抑制機能」 制限速度などの道路標識を認識してマルチインフォメーションディスプレイに表示する「標識認識機能」 「前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグ」はG・Honda SENSINGとG・L Honda SENSINGにメーカーオプション設定。そのほかのグレードに標準装備となる 主要諸元(抜粋)
モデル | N BOX G Honda SENSING(FF) | N BOX カスタム G・EX ターボ Honda SENSING(4WD) |
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全長×全幅×全高[mm] | 3,395×1,475×1,790 | 3,395×1,475×1,815 |
ホイールベース[mm] | 2,520 |
前/後トレッド[mm] | 1,305/1,305 | 1,295/1,295 |
重量[kg] | 890 | 1,020 |
エンジン | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 43(58)/7,300 | 47(64)/6,000 |
最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 65(6.6)/4,800 | 104(10.6)2,600 |
トランスミッション | CVT | CVT(7スピードモード付き)+パドルシフト |
JC08モード燃費[km/L] | 27.0 | 23.0 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
前/後サスペンション | マクファーソン式/車軸式 | マクファーソン式/ド・ディオン式 |
前/後ブレーキ | 油圧式ディスク/油圧式リーディング・トレーリング | 油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディング・トレーリング |
タイヤ | 155/65 R14 75S | 165/55 R15 75V |
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Read Again http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1076023.html