東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却交渉に再び暗雲が漂い始めた。売却先に固まっていた米ウエスタンデジタル(WD)陣営との溝が埋まらず、独占交渉権を与えられなくなったためだ。東芝は、「日米韓連合」の新たな買収提案も含めて検討するが、来年3月末までに売却を完了できなければ、2期連続の債務超過で上場廃止となる見通し。経営再建は極めて難しくなってきた。
WD陣営には、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、官民ファンドの産業革新機構、日本政策投資銀行などが参加する。
経済産業省や取引銀行団の後押しがあり、今月半ばから、東芝とWD陣営の協議は一気に進展し、具体的な契約書の作成作業に入っていた。ただ、WDが議決権比率を高める時期などをめぐって溝が生じ、折り合うことができずにいた。
こうした中、東芝が当初、優先的に交渉を進めていた日米韓連合に参加する米投資ファンドのベインキャピタルが米アップルも参加する新たなスキームでの買収を提案。関係者は「巻き返しに出た」と語る。
もともと東芝は6月下旬に日米韓連合と優先交渉に入ったが、WDは同業のSKが加わる仕組みに強く反発して係争状態が激化し、協議が行き詰まっていた。
東芝は今後、日米韓連合の新提案を含めて売却先の検討を進めることになった。ただ、優先売却先を再び日米韓連合に切り替えれば、はしごを外されるWDが強硬になり、係争中の裁判の解決が難しくなる。WD陣営への売却を主導した経産省が難色を示す可能性もある。
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