雇用改善進み消費持ち直し 企業の設備投資も底堅く

　１０月の主要な経済統計が１日までに出そろった。企業の人手不足を背景に雇用情勢の持ち直しが顕著な上、個人消費や設備投資も底堅い状況だ。特に、求職者１人当たりの求人数を示す有効求人倍率は４３年９カ月ぶりの高水準を記録するなど、各種経済指標から日本経済の回復が裏付けられつつある。（今井裕治）

　厚生労働省が発表した１０月の有効求人倍率（季節調整値）は前月比０・０３ポイント上昇の１・５５倍。これは、高度成長期の直後に記録した昭和４９年１月（１・６４倍）以来４３年９カ月ぶりの水準となった。リーマン・ショック後の平成２１年８月には０・４２倍まで落ち込んでいたが、この５年以上は右肩上がりの改善が続いている。

　企業の人手不足の高まりを背景に失業率も低水準が続く。総務省が発表した１０月の完全失業率（同）は２・８％で前月と同じだった。男女別では、男性が前月と同じ２・９％で、女性は０・１ポイント低下の２・６％だった。完全失業者数は前年同月比１４万人減の１８１万人だった。

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