18日に東京湾アクアラインが開通20周年を迎えるのを前に、森田健作知事は産経新聞などのインタビューに応じ、アクアライン通行料800円の恒久化や、今後の活用方法の展望などについて熱く語った。
--料金800円引き下げの功績は何だと思うか
「最大の効果は、着岸地の南房総に活気が出たことだ。交通量の増加に伴い、企業・観光誘致が促進され、木更津市では33年ぶりに新しい小学校ができた。引き下げの継続が決まった平成26年4月からの約2年半で、対岸の神奈川県なども含め首都圏で約1155億円の経済波及効果をもたらした。恩恵が広がり、千葉経済の下支えになっている」
--800円は知事選当選時の公約だったが、実現したときの気持ちは
「頓挫していたら今の私はいない。半分うれしく、半分は気が引き締まる思いだった。成果が出なければ大変だと思い、チーム森田で取り組んできた。今でも油断せず、首都圏全体で役に立つ道路にしようと日夜努力している」
--800円は恒久的な措置ではなく、財政への負担や渋滞緩和などのためには料金の見直しが必要との声も上がるが
「引き下げについて、国は県負担を前提に『当分の間』継続するとしており、非常に不安定な部分がある。だが、もし料金が3千円に戻れば経済に大変な影響を与える。なんとしても800円を継続するために、国にもしっかりとお願いしたい。また、800円の継続をやめたらやばいと国が思うくらいの経済効果をあげることが大事だ」
「一方でアクアライン800円頼みの経済にならないよう、対策も考えねばいけない。将来的には北千葉道路など、他の道路網の整備で、人やモノの流れを分散させねばならない」
--経済効果が県全体に波及していない懸念もある
「800円にした当初は、(交通基盤のある地域に人や資本が吸い取られる)ストロー効果といわれた。だが、地道な努力で南房総に経済効果が波及してきた。その恩恵が今後、圏央道などを通じて染みいるように全県に広まっていくと思う」
「目下の課題は、日帰りができるほど便利になったが故の宿泊客数の伸び悩みだ。われわれの努力不足もある。チバニアンの市原市の地層や九十九里のサーフィンなど、南部は宝の山。2020年の東京五輪・パラリンピックも見据え、それらを前面に押し出して心からのおもてなしに取り組んでいきたい」
--10、20年後の展望は
「将来的には圏央道の大栄ジャンクション(JCT)-松尾横芝インターチェンジ(IC)も開通し、交通量はもっと増えるだろう。東西南北、格差なく盛り上がり、もっともっと光り輝く千葉になっていると思うが、アクアラインは一層重要な位置づけになるだろう。そのためにも、通行料金800円は今後も継続していかなくてはならない」
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この連載は中辻健太郎が担当しました。
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■知事ら20周年祝う
東京湾アクアラインが18日に開通20年を迎えるのを前に、海ほたるパーキングエリアで17日、記念式典が行われ、訪れた人たちとともに誕生20年を祝った。
イベントは東日本高速道路などが主催。森田健作知事や渡辺芳邦・木更津市長のほか、ゲストとしてアクアライン20周年記念アンバサダーでタレントの秋元才加さんらが参加し、バースデーソングの演奏や巨大なクラッカーを放って節目を祝った。
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