2018年3月26日月曜日

ドル105円台乗せ、通商問題リスク回避一巡との声-株反発し円全面安

東京外国為替市場のドル・円相場は反発し、1ドル=105円台に乗せた。早朝には約1年4カ月ぶりのドル安・円高水準を更新していた。円は、日本株が反発したこともあり、主要10通貨に対して全面安となった。市場関係者からは、前週の米中通商問題に関するリスク回避の流れが一巡したとの指摘が出ていた。

  26日午後4時28分現在のドル・円は前週末比0.3%高の105円08銭。日本時間早朝のオセアニア市場では104円56銭と米大統領選時の2016年11月9日以来のドル安・円高水準を更新する場面があった。その後は午前10時頃の公示仲値や午後の日本株の反発が相場を後押しする格好となり、一時は105円15銭まで上昇した。

  FPG証券の深谷幸司社長は、「米中貿易問題への最初の反応で、先週のリスク回避は一巡し、ドル・円はポジション調整が進んだ印象。追加の悪い材料が出てくるか待たないと、さらなる円買いにはなりにくい。日経平均株価など日本株も底打ちしている」と説明。「ドル・円は104円台後半で底固め。徐々に105円台定着していくのではないか」と述べた。

  26日の東京株式相場は反発。日経平均株価は前週末比148円24銭(0.7%)高の2万766円10銭で取引を終えた。この日の時間外取引で米国株式先物相場は反発しているほか、米長期金利は3ベーシスポイント(bp)高の2.84%に上昇した。

  ムニューシン米財務長官は25日、テレビ番組「FOXニュース・サンデー」で、トランプ米大統領が命じた500億ドル(約5兆2400億円)以上の中国製品への関税を賦課する必要性を未然に防ぐため、米国が中国と合意をまとめられるとの楽観的な見方を示した。同長官は、中国との協議について「極めて生産的な会話を行っている。私は合意に達することを慎重に期待している」と語った。

  FPG証の深谷氏は、「米中両方とも関税が具体的にエスカレートしていくのか、経済に悪影響が出るのか見極める必要がある。具体化せず、沈静化する動きになれば、すでに悪材料を織り込んでいるので、想定よりも悪くないとの見方になる」と解説した。

  一方、みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、「貿易戦争の話は、鉄鋼・アルミはそれほど量はないが、他の財・サービスで米国が沢山輸入しているものに今後飛び火する可能性がある。それが自動車、電気機械だったらどうなるか、裾野が広い話なので、これで終わるとは限らないという不安感がある」と指摘。「リスクセンチメントが改善することによって、2、3円上に行くことがあったとしても110円割れて騒いでいた前の世界には戻らない」と述べた。

  26日の米国ではニューヨーク連銀のダドリー総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁、クオールズ連邦準備制度理事会(FRB)銀行監督担当副議長が講演する。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%高の1ユーロ=1.2388ドル。SBI証券IFAビジネス部の相馬勉部長は、ユーロ・ドルについて、「1.24ドルを超えれば売りが出るが、1.2300ドル近辺に落ちると買いが入る」と分析した。

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Read Again https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-26/P66CSM6KLVRA01

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