2018年3月25日日曜日

ピーチ機パンク、「重大インシデント」に認定

前輪タイヤが横を向いた状態で滑走路に停止

前輪がパンクしたピーチ機(24日午前10時48分、福岡空港で)=中司雅信撮影

24日午前8時12分頃、福岡市の福岡空港で、関西空港発福岡空港行きの格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」151便(エアバスA320型機)が、着陸直後に前輪タイヤ2本がパンクし、滑走路に約2時間20分間、立ち往生した。

乗客・乗員165人にけがはなかったが、滑走路が一時閉鎖され、後続のダイヤが大きく乱れた。

国土交通省は「事故につながりかねない重大インシデントにあたる」と認定。運輸安全委員会は調査官3人を現地に派遣した。

同省によると、同機は前輪タイヤが横を向いた状態で滑走路に停止。タイヤ2本はパンクし、ホイールやタイヤの向きを調整する部品も破損していた。同日未明の滑走路や離陸前の同機の点検で異常は確認されなかったという。

機内に閉じ込められた乗客は約1時間10分後に同機からバスに乗り換え、ターミナルへ移動。機体を移動させるため、滑走路は同日午前10時35分まで閉鎖された。事故の影響で同日午後6時現在、国際線1便を含む計82便が欠航、同5便を含む22便が目的地を変更し、別の空港に着陸した。

ピーチ社は「パンクの原因を調べている。利用者や関係者にご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」とコメントを発表した。

事故について元全日空機長で航空評論家の前根明さんは、「前輪タイヤが2本ともパンクするのは非常に珍しく、相当な負荷がかかったとみられる。重大事故につながりかねず、フライトレコーダーを解析して原因を徹底的に調べるべきだ」と話している。

タイヤがパンクした事故機の乗客は読売新聞の取材に着陸時の状況を語った。

乗客によると、着陸後に「ガガガッ」という音とともに揺れが続いた。停止して数分後、前輪タイヤのパンクを告げる機内アナウンスが流れた。乗客は落ち着いていたが、機外に出られず、疲れを訴える声もあったという。旅行帰りに友人と利用した福岡市東区の大学1年生(19)は「揺れに驚いて目が覚めた。何が起きたのか分からず戸惑った」と振り返った。

一方、後続便の欠航や目的地の変更で、空港ロビーは利用客で大混雑。タイへの出張を終え、宮崎市の自宅に帰宅途中という会社員男性(56)は払い戻しの行列に並び、「いつになったら家に帰れるのか」と疲れ切っていた。

Let's block ads! (Why?)

Read Again http://toyokeizai.net/articles/-/213951

0 件のコメント:

コメントを投稿