2018年3月29日木曜日

ドル106円半ば、利益確定売りで107円には乗せられず

[東京 29日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高の106円半ば。ドルは朝方一時107円に迫ったものの、月末の輸出勢の売りに上値を抑えられた。イースター休暇を控えた海外短期筋の利益確定売りにも押され、106円前半まで反落した。

 3月29日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高の106円半ば。ドルは朝方一時107円に迫ったものの、月末の輸出勢の売りに上値を抑えられた。写真は2016年11月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)

朝方106.80円付近で推移していたドルは、寄り付き後に上げ幅を拡大した日経平均に歩調を合わせ106.93円まで上昇。きょうの高値をつけた。その後は利益確定売りに押されたほか、日経平均が前営業日比マイナス圏に沈んだことで106.38円まで下落した。「午前の取引では月末がらみの輸出勢の売りが目立っていた」(外為アナリスト)という。

しかし、日経平均が引けにかけてプラスに転じると、ドルも106円半ばを回復した。

麻生太郎財務相は午前の参議院財政金融委員会で、日米金利差が3%になるとドルは対円で上昇してきたとの見方を示した。また、米減税や支出拡大は財政赤字につながり、米金利は間違いなく上昇するとの見解を示した。

市場の反応は限定的。為替相場について「金利差の話はややレトロな感じがする」(国内金融機関)との意見が聞かれた。

市場では、北朝鮮リスクが後退しつつある状況が好感されている。29日付朝日新聞朝刊は、北朝鮮関係筋の話として、金正恩政権が朝鮮労働党幹部らに対し6月初めにも日朝首脳会談の開催があり得るとの説明を始めたと報じた。

ドルは前日ニューヨーク終盤で107.01円まで上昇したが、その過程では、日本企業の大型M&Aに対する期待感が働いたとの指摘がある。「時期的に、事業会社が新年度を迎えて海外への直接投資を活発化させるという思惑が生じやすい」(前出の外為アナリスト)との声が出ていた。

武田薬品工業(4502.T)は28日、アイルランドの製薬会社シャイアー(SHP.L)に対し買収案提示を検討していると発表。シャイアーの時価総額は直近で約320億ポンド(約4兆8000億円)で、日本企業による海外企業のM&Aとして過去最大級となる可能性がある。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 106.48/50 1.2331/35 131.30/34

午前9時現在 106.79/81 1.2311/15 131.48/52

NY午後5時 106.85/86 1.2307/10 131.47/51

為替マーケットチーム

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