2018年3月31日土曜日

さらば 島根-広島108キロ、最終運行日

 島根県江津(ごうつ)市と広島県三次(みよし)市を結ぶJR三江(さんこう)線(全長108・1キロ)が31日、最終運行日を迎えた。鉄道ファンや地元の人らが集まり、始発列車からほぼ満員に。駅や沿線でも多くの人が別れを惜しんだ。1987年の国鉄分割・民営化以降、本州で100キロを超える路線の全線廃止は初めて。

 「本日、三江線は最終日でございます。ご利用ありがとうございます」。江津駅ではアナウンスがホームに響く中、午前5時53分、約150人を乗せて始発列車(3両編成)が出発。ファンが手を振ったり、写真に収めたりした。三江線は1930年に一部が、75年に全線が開業。沿線人口の減少やマイカーの増加により、1日1キロ当たりの平均輸送人数は2015年度で58人と、92年度の5分の1以下になり、赤字が続いていた。

 江津駅から乗り込んだ大阪市西区の会社員、嶋岡洋和(ひろかず)さん(38)は「30回くらい乗った。ゆっくりゆったりと江の川沿いを走るのが魅力」と話した。沿線の石見川越駅(江津市)近くに住む柳光(りゅうこう)ミサエさん(84)は「三江線とは嫁に来て以来61年の付き合い。人が減って空っぽで走るのをよく見かけたから仕方ないとは思う」と語り、「今日は人がたくさんいるね」とホームを見つめてほほえんだ。

 広島県境にある島根県邑南(おおなん)町の口羽(くちば)駅でも地元住民が「ありがとう三江線」の横断幕を掲げた。駅前では関連グッズも販売され、早朝から鉄道ファンでにぎわった。【柴崎達矢、根岸愛実、竹内之浩】

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