2018年4月25日水曜日

ANA、ハワイ路線は520席 A380のデザイン発表

 航空国内最大手のANAホールディングスは25日、来春、東京―ハワイ・ホノルル線に3機投入するエアバスの新型旅客機「A380」の座席数や機内のデザインを発表した。世界最大の輸送能力を生かし、日本航空が得意としている同路線のシェアを奪う狙いだ。

 A380は世界で唯一の総2階建て旅客機で、ANAは520席を設ける。2階には同社のこの路線で初めて、ファーストクラス(8席)を用意する。日本初のドアつき・個室型のシートだという。2階はほかにビジネスクラス(56席)とプレミアムエコノミー(73席)を設ける。

 1階のエコノミークラス(383席)には、座席下のレッグレストを引き上げ、隣接する3~4席で平らなベッドのようになるカウチシート(60席)を導入。追加料金を払えば利用できる。専用の寝具も用意する。着替えや授乳などに使える多目的ルームも設ける。家族連れの利用を増やす狙いだ。

 ANAがハワイ路線に力を入れる背景には、ライバル・日本航空の存在がある。ANAは現在、ホノルルまで成田から1日2便、羽田から1便、日本航空は成田から4便、中部から1便、関西から1便を運航している。ANAによると、国際線のシェア(座席数ベース)は多くの路線でANAが勝る一方、ホノルル線のシェアは日本航空32%に対してANAは14%で、「ハワイはJALの牙城(がじょう)」(ANA広報)。来春以降、現在のボーイング787機(246席)をA380機に順次置き換え、シェアを25%程度に引き上げたい考えだ。

 もっとも、日本航空もハワイ路線を強化している。ホノルルだけでなく、17年9月に成田―ハワイ・コナ線を就航。今年3月には、ANAとの提携を終えたハワイアン航空とコードシェア(共同運航)を始めた。ハワイ島など離島へのアクセスをよくするほか、マイルもためられるようにする。将来的にはダイヤや運賃も両社で調整する共同事業の検討を進めている。

 JAL広報は「ANAのA380導入で競争が激化する。ハワイアン航空との連携でサービスを向上させ、利用者に選んでもらえるよう努めたい」としている。(北見英城)

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