欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は26日、政策委員会が資産購入プログラムやユーロ高について今月の会合で協議しなかったと述べた。ユーロ圏経済の健全性を判断することに終始したという。
政策委は25、26両日の会合で、経済指標の軟化が相次いでいることを話し合ったと、ドラギ総裁がフランクフルトでの記者会見で述べた。景気の勢いが今年に入って弱まったことを認めたものの、域内の景気拡大持続に対する自信をあらためて示した。
総裁は「興味深いことに、われわれは金融政策そのものについては議論しなかった」と発言。「前回会合以降にほぼ全ての国が、度合いは違うが、幾分の成長減速と勢いの低下を経験したことは明らかだ」と語った。
ドラギ総裁はまた、当局者らは為替相場のボラティリティーには注目しなかったと述べたが、会見の冒頭では為替相場の動向とそれがインフレに与え得る影響を引き続き注視すると表明した。
ECBはこの日、金融政策の現状を維持した。月額300億ユーロ(約4兆円)の資産購入を少なくとも9月末まで継続し、政策金利は購入終了後かなりの期間、現水準に維持する方針を再確認した。
ドラギ総裁は「3月上旬の会合以降に出てきた指標は幾分の減速を示唆しているが、ユーロ圏経済は堅調で広範な景気拡大だと依然言える水準だ」とし、「基調的なトレンドは引き続き、インフレが中期的にECBの目指す水準に収れんするとの自信を支持している」と述べた。
インフレ率について「持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだない」としながらも、2%弱の目標水準をいずれは回復すると自信を示し、「基調的インフレの指標は前回会合以降、横ばいだ」が、「名目賃金の伸びには幾つかの明るい兆候が見られる」と語った。
原題:Draghi Recognizes Weaker Momentum as ECB Affirms Solid Outlook(抜粋)
Draghi Insists Outlook Is Solid as ECB Skirts QE Debate Again
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