2018年4月23日月曜日

NTTグループ、海賊版漫画3サイトへの接続遮断実施へ

 NTTグループは23日、漫画やアニメを作者に無断で掲載する「海賊版サイト」に対して、接続の遮断(ブロッキング)を実施すると発表した。政府がブロッキングのための法整備に乗り出す方針を決めたのを受けた措置だ。一方、海賊版サイトへの接続遮断はネットの業界団体や法学者から反対意見が出ており、今後、議論を呼びそうだ。

 接続遮断を実施するのは、NTTグループ傘下でインターネット接続サービスを提供しているNTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTぷららの3社。「法制度が整備されるまでの短期的な緊急措置として、政府が指定した海賊版3サイトへの接続遮断を、準備が整い次第実施する」としている。13日の政府の要請を受けて、接続遮断を実施すると表明したのはNTTグループが初めて。

 対象は政府が緊急対策として接続遮断が適当とした「漫画村」など3サイト。23日現在、これらのサイトは閲覧できなくなっており、運営者側が閉鎖した可能性がある。

 海賊版サイトへの接続遮断は、出版社や日本漫画家協会などが「現状を放置すれば、日本のコンテンツ産業を根本から破壊する」(講談社)と歓迎のコメントを出している。

 一方で接続事業者の業界団体であるインターネットプロバイダー協会(JAIPA)が「政府が特定サイトへの遮断を求めることは、憲法が禁止する検閲にあたるおそれがあり、諸外国にも例がない」と表明するなど、法学者を中心に反対の声も出ている。

 NTTが実施することを受けて同じ通信大手のKDDIは「実施するしないを含めて検討中」と回答する。ソフトバンクも「著作権侵害の放置は看過できないが、接続遮断は通信の秘密を侵害する懸念もあり慎重な議論が必要。業界団体と連携しながら、実行可能な方策を検討したい」とする。

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