総務省が25日発表した7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は7カ月連続で上昇した。エネルギー価格の上昇が全体を押し上げた。市場予想と同水準。
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背景
消費者物価指数が7カ月連続のプラスになったのは、前月に続きガソリンを含む石油製品の押し上げ効果が大きい。物価の基調を示す生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは、低迷が続いている。
日本銀行は7月公表の展望リポートで、物価目標2%達成時期を「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りした。13年4月に2年をめどに目標の実現を宣言してから、達成時期の先送りは6回目。
布野幸利審議委員は2日の会見で、2%の物価目標を「できるだけ早くということは残っているが、時限立法的にやらなくてはいけないということでは必ずしもない」と述べ、達成時期にはこだわらない姿勢を示した。
エコノミストの見方
- 大和証券の永井靖敏チーフエコノミストは電話取材で、エネルギーの上昇は織り込み済みで物価は「予想の範囲内の上昇」だと指摘。年内の上昇率は0.9%程度という見方を示した。日銀が目指す物価上昇2%の2019年度までの達成は不可能だとした上で、「できると思っている人もほとんどいない」と述べた。
- 伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員は電話取材で、エネルギー価格が含まれないコアコアCPIの低い伸びが示すように「本命の物価圧力は全く強まっている様子はない」と分析。消費者の物価上昇に対する拒否感は強く、「物価上昇には賃金上昇が不可欠」と述べた。
詳細
- 東京都区部(8月中旬速報)コアCPIは0.4%上昇(予想は0.3%上昇)-前月は0.2%上昇
- 生鮮食品とエネルギーを除く東京都区部(同)コアコアCPIは横ばい(予想は0.1%下落)-前月は0.1%下落
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