2017年8月1日火曜日

東芝、きょう2部降格 上場廃止に現実味 (1/3)

 経営再建中の東芝の株式は1日、東京証券取引所での上場先が1部から2部に降格となる。米原発事業をめぐる巨額損失で3月末に負債が資産を上回る債務超過に転落したため、東証の上場ルールに抵触した。7月31日は3営業日ぶりに反発し、終値は前週末比6円80銭高の246円00銭だった。

photo経営難が続く東芝の本社ビル=東京都港区

 31日は一時、前週末比17円00銭安の222円20銭まで下げたが、取引終了にかけてプラスに転じ、この日の高値で引けた。今後の東芝株について、松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「2部降格に伴う売買はひとまず終わり、再び半導体子会社の売却交渉や有価証券報告書の提出など東芝固有の材料での値動きとなる」との見方を示した。

 東芝は戦後に東証が取引を再開した1949年5月に上場。東証によると、2部は61年10月に開設され、東芝はそれ以降は1部に上場していたが、今回初めて2部に変更となる。

「廃止」も現実味

 東芝は東証1部から2部への指定替えにとどまらず、上場廃止も現実味を帯びる。上場を維持するには、2017年3月期の有価証券報告書(有報)に監査法人の「適正意見」をつけた提出や、来年3月末までの債務超過解消が条件になるが、ともにめどがついていないからだ。

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 東芝は有報を法定期限の6月末に提出できず、今月10日まで延期した。新たな期限までわずかだが、PwCあらた監査法人との協議は難航しており、お墨付きがない異例の状態で提出する可能性が出てきた。

 PwCあらたは東芝が米原発事業の巨額損失を認識した時期を問題視。東芝は昨年12月に認識してその時点で損失を決算に計上したと主張したが、PwCあらたは東芝が16年3月に損失を認識していた可能性があり、遡(さかのぼ)って決算を修正する必要があると指摘する。

宙に浮く売却計画

 東芝はPwCあらたから具体的な修正額が示されれば、それに沿って修正する構えだが、いまだに「結果待ちの段階」(関係者)という。残された期間で決算を修正し、再度の監査を経て適正意見を得るのは現実的に難しい。東芝は東証による上場可否の審査を受けている最中であり、有報に「意見不表明」や「不適正意見」がつけば、審査に悪影響が出るのは必至だ。

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 一方、上場廃止になる2期連続の債務超過を解消するには、半導体子会社「東芝メモリ」を来年3月までに売却する必要がある。ただ、売却に反対する米ウエスタン・デジタル(WD)との係争解決の糸口が見えず、産業革新機構を中心とする「日米韓連合」との売却契約締結も宙に浮いたままだ。売却に伴う各国の独占禁止法の審査期間は半年以上かかるとされ、売却手続きは時間との戦いだが、展望はみえていない。

【Q&A】東芝株なぜ2部降格? 将来的な1部復帰は可能か

 ■東芝の上場維持に向けた課題

 ◇2017年3月期有報の「適正意見」

 ・監査法人との調整が難航し、「意見不表明」や「不適正意見」で提出する可能性も→東証による上場可否の審査に悪影響

 ◇東芝メモリ売却による債務超過解消

 ・東芝メモリの売却で米WDと係争となり、「日米韓連合」との売却手続きに遅れ→来年3月までに売却を完了し、2期連続の債務超過を回避できなければ上場廃止に

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