大阪市淀川区の住宅地で設置が計画されているビル型納骨堂が市の基準を満たしていないとして、建設に反対する周辺住民１０人が２５日、市の経営許可処分の取り消しを求める訴えを大阪地裁に起こした。
訴状などによると、設置を予定しているのは、大阪府門真市の宗教法人「宝蔵寺」。淀川区西中島の６０５平方メートルの敷地に、鉄筋コンクリート６階建ての納骨堂を建設するとしている。
法人が市に提出した許可申請書では「搬送式納骨堂」と記載され、遺骨の収納場所から機械による自動搬送により、共同の参拝スペースに骨壺などが現れるタイプとみられる。６千基余りが収蔵可能という。
墓地や納骨堂、火葬場の経営は自治体の許可を得る必要があり、墓地埋葬法に基づく大阪市の審査基準では「申請地から３００メートル以内に学校、病院、人家がないこと」が原則だが、付近の生活環境を著しく損なう恐れがなければ経営できるという例外規定がある。
法人の申請を受けて、市は今年２月に許可を出したが、原告側は「周辺住民の理解を得ておらず、生活環境を著しく損なう」と主張している。
原告の能勢治郎さん（６８）は「住んでいるところの目の前に突然、墓ができることになる。建設されるなら引っ越したいという人もいる」と批判した。
大阪市生活衛生課は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
ビル型納骨堂の予定地は大阪市営地下鉄西中島南方駅から南西に約２５０メートルの住宅街。
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