2018年3月16日金曜日

JT、ロシア4位を1900億円で買収 現地で首位固め

 日本たばこ産業(JT)は16日、ロシア4位のたばこメーカー、ドンスコイ・タバックを買収すると発表した。取得額は約1900億円。JTはロシア市場で3割強のシェアを握る最大手。現地企業の買収で事業基盤を強化する。加熱式たばこの普及により国内事業の苦戦が続くなか、安定した収益源である海外事業を強化する。

 ロシアは中国、インドネシアに次ぐ世界第3位のたばこ市場。JTによると、ドンスコイの2017年のロシア市場におけるシェアは7%弱。低価格帯の製品に強みを持ち、JTの持つブランドと補完しやすい。同社の他にもロシアとギリシャの2社を買収する。有利子負債も合わせた総額は1900億円となり、JTの過去の買収案件の中では4番目の規模だ。

 JTは約1兆円を投じた米RJRナビスコの買収で獲得した「ウィンストン」などのブランドを主力に、ロシアでのシェアは3割強と首位を維持する。ただ、足元では喫煙規制強化の影響もあって市場は縮小していた。

 ロシアでは2位の米フィリップ・モリス・インターナショナルが27%、3位のブリティッシュ・アメリカン・タバコは22%のシェアを握る。JTは買収によりシェアを4割に引き上げ、首位の座を盤石にする考えだ。

 JTは16年に米レイノルズ・アメリカンのブランドを約6000億円で買収。それ以降はM&A(合併・買収)により新興国への参入を続けてきた。17年はフィリピン、インドネシアのそれぞれで1000億円超を投じたほか、エチオピアのたばこ専売企業への出資比率も引き上げた。

 こうした新興国の開拓もあり、足元での海外たばこ事業は堅調だ。17年12月期の海外たばこ事業の売上高は1兆2376億円と前の期比3%増加し、国内事業の約2倍の規模にまで成長した。18年12月期は前期比7%増の1兆3200億円まで拡大する見通しだ。

 ただ、加熱式たばこが急速に普及する国内事業が懸念材料とされる。JTは加熱式でフィリップ・モリスなどに比べて出遅れている。国内たばこ市場の縮小に歯止めがかからないなか、海外事業の強化で国内事業を補う考えだ。

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