JR西日本は28日、川崎重工業が納入した新幹線のうち、施工不良があった約100台の台車を交換する方針だが「予備の台車もあり、新幹線全体の運行に影響はない」との見方を示した。約100台のうち傷が見つかるなどした12台を既に交換。残る台車の安全性に問題はないが、順次交換を進める。
一方、のぞみ34号の台車枠の一部は亀裂が入ってから数年が経過していたとみられる。同社の定期検査では見つけられず、安全管理体制の課題が浮き彫りになった。
JR西は新型車両の製造時にメーカーの工場に社員を派遣し、施工内容を確認。その後は同じ手順で施工するようメーカー側に管理を委ねている。納入時はメーカーが測定したとする数値を確認するのみで、JR西が車両を実測する仕組みはなかった。メーカー側の測定数値に台車枠の厚みの項目もなかった。
実際に車両の運行が始まると、定期検査で異常がないか確認する。問題の車両は2017年2月、解体して詳細に調べる検査を実施。同年11月には走行6万キロごとの検査をし、毎回の運行前にも点検をしていたが、異常は見つからなかった。
いずれも台車枠の部分は目視での点検をし、超音波検査などはしていなかった。ただ、数年が経過していたとみられる亀裂もあり、JR西の平野賀久副社長は「定期検査の目視点検で発見できていれば、という残念な思いはある」と話した。
JR西は施工不良のあった車両について定期的に超音波検査を実施するほか、メーカーにも製造時に超音波検査を要求するなど品質管理への関与を深める方針だ。
亀裂の原因は判明したが、のぞみ34号の乗務員らは異音や異臭を把握しながら約3時間にわたって運行を続けた。JR西はその反省を踏まえ、異常発生時にはためらわず運行を停止することや、その判断には現場の意見を優先することなどの対策を公表している。
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