2018年3月2日金曜日

主催の徳島市観光協会破産へ 累積赤字4億円超

阿波踊りが開幕し、軽快なリズムに乗って踊る踊り手たち=徳島市で2016年8月12日午後7時34分、貝塚太一撮影

 徳島市の夏の風物詩「阿波踊り」を主催する公益社団法人「市観光協会」について、市は2日、債権者として破産手続き開始を徳島地裁に申し立てたことを明らかにした。4億円以上の累積赤字があり、運営を改善できないと判断した。今夏の阿波踊りについて市は「責任を持って新たな運営体制を早急に検討する」としているが、見通しは立っていない。

 同協会は阿波踊りを徳島新聞社と共催し、事業会計を担当。市は協会に対して2017年度には約2200万円の補助金を出しているほか、金融機関からの借り入れを返済できない場合は、市が代わって支払う契約を結んでいた。

 市によると、雨天時のチケット払い戻しなどで赤字が長年にわたって積み重なり、借り入れが約4億3600万円に上っていた。有識者らによる調査団を設置して調べたところ、会計の裏付け書類がないなどの不適正な処理が判明。協会側は「経営をスリム化すれば、借金を返済しながらの阿波踊り運営は可能」と主張したが、調査団は「徳島新聞社との協力体制にも懸念があり、赤字を解消しつつ、事業を継続していくのは困難」との結論を出した。

 これを受け、市はこれ以上、代理返済をしないことを決定。金融機関から約3億8000万円の債権譲渡を受け、債権者として申し立てた。手続きが開始されれば、協会は解散することになる。【蒲原明佳】

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