トヨタ自動車は、往年の看板スポーツカー「スープラ」を復活させる。提携している独BMWとの初の共同開発車で、2019年前半に国内外で売り出す。クルマの需要は、汎用(はんよう)品と愛好品への二極化が進みつつあり、スポーツカーにも力を注ぐ。
新型スープラは、02年に生産を打ち切った当時と同じ後輪駆動の2ドアクーペだ。市販する車の詳細は明らかにしていないが、試作車「GRスープラ・レーシング・コンセプト」を、6日にスイスで始まったジュネーブ国際モーターショーで初めて公開した。
新型は、トヨタが企画とデザインを、BMWが設計と開発を主に担った。関係者によると、トヨタは17年秋に新設したスポーツカーブランド「GR(ジーアール)」から売り出す。GRでは現在、プリウスなどの既存車を改造して売っているが、新型スープラはGR専用車種の第1弾となる見込み。BMWは別名で売る予定だ。
スープラは日本では1986年の発売。前身のスポーツカー「セリカXX(ダブルエックス)」の全面改良を機に、北米向けで先に使っていた「スープラ」に車名を統一した。ル・マン24時間やスーパーGTなど国内外のレースに出場。幅広い年代から人気を集めた。
しかし、排ガス規制の強化を受けて2002年に生産を中止。1986年からの世界での累計販売台数は約30万台だ。新型は国内では3代目となる。
トヨタとBMWは2011年、ハイブリッド車向けリチウムイオン電池の共同研究などで合意。12年にはスポーツカーの共同開発を発表した。当時、豊田章男社長は「スポーツカー開発はBMWが最も得意とする分野。両社の強みを生かし環境にも優しく世界中のクルマ好きを興奮させるスポーツカーの誕生を楽しみにしている」と話していた。
近年は、1台のクルマを複数で共有するカーシェアリングが普及。車を所有しなくても利用できれば良いという人が増えている。一方、子育てを終えた世代らが愛車を求める需要も高まっており、一時は下火となったスポーツカーにメーカー各社は再び力を入れ始めている。(初見翔)
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