2019年春に卒業予定の大学生向けの企業説明会が1日解禁され、就職活動が本格化した。人手不足を背景に「超売り手市場」が続く中で、企業も学生も注目するのが「働き方改革」。長時間労働の是正などについて今国会での議論も熱を帯びており、企業説明会では、採用担当者が残業時間や有給休暇の取得状況などの説明に力を入れ、学生たちが熱心に耳を傾けている。
リクルートキャリア(東京)が1日、札幌市白石区の札幌コンベンションセンターで開いた合同企業説明会は道内企業を中心に115社・団体が参加した。ブースでは採用担当者が「残業は原則禁止です」「有給休暇を使って旅行に行く社員もいますよ」と、職場環境をPRした。藤女子大3年の菅原星来(せいら)さん(21)は「結婚や出産をしても長く働き続けられる企業を志望したい」と話した。
■ミスマッチ避ける
1日から北大で始まった企業セミナーに参加した同大大学院1年甘利正輝さん(24)は、物流業界を志望。人手不足が深刻な業界だけに「休日の取得率が気になる。オンとオフはしっかり分けたい」と言う。
電通やNHKで過労自殺、過労死が問題となり、就活生たちは、企業の働き方改革への取り組み姿勢を注視している。北海学園大キャリア支援センターは「学生たちの労働条件への関心は非常に高く、就職後のミスマッチを避けるため、詳しい説明を企業に求めている」と指摘する。
就活生の大手志向が根強い中、働き方改革を推進することで人材の確保につなげようとする中小企業もある。
従業員16人のソフトウエア開発会社「ITソリューション」(函館)は、有給休暇の取得日数の平均が年間11日に上っていることをアピールし、17年度に続いて今春も新卒者を確保。沢井保彦社長(55)は「長時間労働になりやすい業界だが、うちは自信を持って『ホワイト企業』と言える」と強調する。
■具体的イメージを
ただし、就職情報会社ジェイ・ブロード北海道支社の前田健郎支社長(49)は「労働条件のみで就職先を選ぶと離職につながる」とも指摘。「自分がどのように働いていきたいか具体的なイメージを持つことが必要」とアドバイスしている。
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