[ワシントン 5日 ロイター] - 米商務省が5日発表した2月の貿易収支の赤字額は前月比1.6%増の575億9100万ドルと、金額ベースで2008年10月以来、9年4カ月ぶりの高水準だった。
市場予想は約568億ドルだった。ただ、対中赤字は大きく縮小した。
1月の赤字額は当初発表の566億100万ドルから566億6500万ドルへ改定された。
赤字額は6カ月連続で増えている。2月はモノの赤字が08年7月以来の高水準となった。サービスの黒字額は12年12月以来の低水準だった。
2月に赤字が拡大したのは一次産品の値上がりが一因だ。
政治的に問題になることが多い中国に対するモノの貿易赤字は18.6%減の292億6200万ドル。輸出が横ばいだった中で輸入が14.7%減少した。一方、メキシコとの貿易赤字は46.6%急増した。
米国は3日、中国政府に知的財産の侵害を是正させるために中国の産業技術や輸送・医療機器1300品目に25%の関税をかける方針を決めた。中国は4日、即座に反応し、大豆や飛行機、自動車、牛肉、化学製品などの米国の主要な輸出品に同等の輸入関税を課す方針を示した。
トランプ米大統領は米国の主要な貿易相手国が米国につけ込んでいると発言してきており、既に太陽光パネルや大型洗濯機に関税を課している。また鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の輸入関税を課している。
アナリストらは、こうした動きで経済成長が阻害され、消費者・生産者双方の価格負担が増大する可能性を指摘。経済が底堅く成長すれば輸入増につながるほか、トランプ政権が打ち出す1兆5000億ドル規模の減税で貿易赤字が拡大するとの見方も示す。
ムーディーズ・アナリティクスのエコノミストは「税制や2年間の予算合意で、連邦政府の財政赤字が今年2050億ドル拡大し、名目の貿易赤字も750億ドル膨らむ」と予測。「2019年には税制や予算合意で、連邦赤字が4800億ドル、貿易赤字も1610億ドルそれぞれ拡大する。貿易が今年と来年の米経済成長の重しになる」と見通した。
統計公表を受け、米金融市場は小動きだった。
2月は、実質の貿易赤字を示すインフレ調整後の貿易赤字が691億500万ドルと、1月の699億5800万ドルから減少した。17年第4・四半期の平均の668億700万ドルを上回っている。第1・四半期に貿易が国内総生産(GDP)を押し下げる方向に働くことを示唆する。貿易は17年第4・四半期にGDPを1.16%ポイント押し下げた。第4・四半期GDPは年率で2.9%増だった。
2月はモノの輸出が2.3%増の1371億7900万ドル。産業用資材・原料や自動車、エンジンの輸出が好調だった。中国への輸出は横ばいだった。
モノの輸入は1.6%増の2141億9000万ドルだった。食品や産業用資材・原料、資本財の輸入が増えた。
サービスの輸入は過去最高の478億4700万ドル。冬季五輪に関連する放送特許が押し上げ要因だったとみられる。
中国からの輸入は14.7%減だった。
Read Again https://jp.reuters.com/article/us-feb-trade-deficit-idJPKCN1HC208
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