加工食品製造事業のオーナーになれば高い利子を支払うとして出資を募り、多額の支払いを滞納している「ケフィア事業振興会」(東京都)に対し、被害対策弁護団が未払い金を回収するため同社の破産申請を検討していることが2日、分かった。契約通りの支払いが今後も見込めない場合の対策で、裁判所が認めれば同社の資産から未払い金の一部を取り戻すことが期待できるという。
弁護団は同日、被害を訴える契約者向けの説明会を都内で開催。約740人の参加者に対して破産申請の検討を伝えるとともに、同社の勧誘が出資法違反などに当たる可能性があるとして、警視庁への刑事告訴を検討していることも説明した。
同社をめぐっては消費者庁が8月31日、巨額の消費者被害の恐れがあるとして注意喚起。同社側は消費者庁の調査に「支払い滞納は2万人で、少なくとも計340億円」と説明し、滞納理由を「システム障害や満期前の解約の増加」と答えたとされる。
弁護団によると、同社はオーナー制度で高い利子を掲げ、ダイレクトメールで出資を募集。会員への支払いは昨年夏ごろから滞り始め、同11月ごろから支払いが相次いで停止したとみられる。この日までに寄せられた「支払いがない」との相談は約1180件、約82億8千万円分に達した。
弁護団は同社がダイレクトメールで資金を集め、後日利子を足して支払うと明示した点が、元本や利益を保証して不特定多数の人から資金を集めることを禁止する出資法に違反している疑いがあると指摘する。
また、同社が資金繰りが困難で支払いできないと認識しながら出資を募っていた場合、詐欺罪に当たる可能性もあるとみている。
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