2018年10月1日月曜日

JR全線運休で首都混乱 ホテル満室、バスも

台風24号の影響で在来線や新幹線の運転が終了し、電光掲示板の表示が消えて閑散とする改札口=JR東京駅で2018年9月30日午後8時49分、梅村直承撮影

 非常に強い台風24号は30日、和歌山県に上陸した。首都圏のJR在来線の全線運休の影響で、主要駅やテーマパークでは利用客の混乱が見られた。

 JR東京駅では同日夕、東海道新幹線の運転終了を伝える放送が繰り返され、改札前にも運休を伝える紙が張られた。

 東京都内で音楽ライブを鑑賞し、同日夜に帰る予定だった岐阜県海津市の会社員、寺村浩司郎さん(26)は急きょ、親戚の家に泊めてもらうことになった。「ホテルを探したが、どこも満室だった。1日の始発で帰れても仕事には間に合わない」と表情を曇らせた。

 外国人観光客の姿も目立った。フィリピンから来日したミケアス・ナリオさん(34)は、マニラから観光のため関西空港に向かうはずだったが、台風で欠航に。成田行きに変更して東京駅まで来たものの、大阪に向かう手段がなく「1日の始発で大阪に向かう。駅の構内放送が英語でも流れていて助かった」と話した。

 同駅八重洲南口の高速バス乗り場では、新幹線の代わりにバスが利用できないか係員に尋ねる人々が列を作った。仕事で大分県に向かう予定の東京都台東区のIT系企業社長、佐藤悠介さん(32)は「バスも運休していてだめだった。こういうこともあるんですね」と疲れた様子だった。

 JR新宿駅では、30日午後6時までに周辺のショッピングモールが次々と閉店し、駅構内で運休を告げるアナウンスが繰り返された。予定を切り上げて帰る人らが続々と改札を通過していった。

 豊島区池袋に住む大学4年の女性(22)は留学中に知り合い、研修で東京に来ているフィリピン人の友人と夕食を一緒に食べる約束だったが、電車がなくなってしまうので取りやめた。「久しぶりに会うので残念だけど、台風なので仕方がない」と肩を落とした。

 さいたま市の南与野駅近くに住む男性会社員(39)は仕事を早めに切り上げることができず、午後9時過ぎに新宿駅に着いた。埼京線の大宮行き最終に間に合い「漫画喫茶に泊まることも考えたが、間に合ってよかった」と、ほっとした表情を浮かべた。

 千葉県浦安市の東京ディズニーリゾート(TDR)は閉園時間を1時間早めて午後9時に閉園。最寄りのJR京葉線舞浜駅は運休するため人がまばらで、地下鉄東西線浦安駅行きのバスなどに列ができていた。

 午後10時半にTDR発のバスで仙台市に帰る19歳の会社員の男女は「1カ月前から予定していた。JR京葉線で移動して食事をしてから帰ろうと思ったけど、舞浜駅に戻れなくなりそうだからできない」と、バスのロータリーに座り込んでいた。【川上珠実、山本有紀、小林多美子】

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