楽天と西友は10月25日、両者が協働運営するネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」をグランドオープンした。
西友が得意とする生鮮食品などの食品や日用品を提供するほか、時短ニーズに対応したカット野菜や半調理食品、ミールキットなどの簡便商品、「楽天市場」で人気のお取り寄せグルメ、農業サービス「Rakuten Ragri(ラグリ)」の有機野菜や有機野菜サラダなど、最大2万品目を取りそろえる。
楽天が有する楽天ID数約9900万の強固な会員基盤やECの知見、西友が実店舗で培ってきた生鮮食品の販売などのスーパーマーケット運営のノウハウといった、両社の強みを活用して協働運営する。
楽天西友ネットスーパーの本格展開にあたり、千葉県柏市にネットスーパー専用センターと都内数カ所に配送拠点を本格稼働させた。
専用センターは、冷蔵・冷凍庫を完備し、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯で商品を保管する。
これまでの西友ネットスーパーは、実店舗からの配送を中心に運営していたが、実店舗を活用した配送では、配送キャパシティに課題があった。
ネットスーパーを利用しようと思っても、翌々日にならないと利用できない状況も発生しており、お客の自宅までのラストワンマイルを埋める、新たな仕組みが必要だった。
ネットスーパー専用センターと配送拠点を組み合わせた、新たな配送のルートを加えることで、配送キャパシティを従来の1.5倍に拡大する。
配送先住所によって、店舗からの配送か柏センターからの配送かを選別することで、ネットスーパーに最適化した新たな配送体制を構築する。
センターを中心に各配送拠点を活用することで、受注可能件数を最大化する。
楽天執行役員コマースカンパニーファーストパーティ事業ヴァイスプレジデントで、楽天西友ネットスーパーマーケティング代表取締役を兼務する小森紀昭氏は、「経産省の調査によると、2017年の食品のEC化比率は2.4%で、全体の5.8%と比べて少ない。ここに大きな伸びしろがある。西友の生鮮食品の仕入れ・調達といったノウハウを生かして事業を拡大したい」と語る。
西友執行役員シニア・バイス・プレジデントで、楽天西友ネットスーパー代表取締役の竹田珠恵氏は、「ヨーカドーに対しては価格の優位性があり、アマゾンに対しては実店舗での生鮮ノウハウといった優位性がある。オフラインの店舗を持つ安心感もあり、日本位置のネットスーパーを目指したい」という。
品ぞろえでは、2010年から2016年までの過去5年間で共働き世帯が100万世帯以上増加したことを受け、ミールキットを強化した。
ミールキットは、育児中のママ・パパを対象とした会員プログラム「楽天ママ割」との共同開発商品も展開する。
展開エリアは、16都道府県で、配送料は一定金額以上の注文で送料無料となるが、それ以下の場合は税込432円となる。
入会費・年会費は無料、受付時間は年中無休24時間で、宅配時間は、注文した日から3日後までの午前10時~午後10時までの2時間毎の6つの時間帯で指定配達できる。
注文から最短4時間で配送し、午後3時までに注文すると当日配達にも対応する。
支払いは、クレジットカード、代金引換(手数料324円)、電子マネー(楽天キャッシュ)、楽天スーパーポイントに対応する。
購入金額100円につき、楽天スーパーポイントを1ポイント進呈する。ウォルマートカードで支払うと2%の優待割引を行う。
今後の展開について、小森執行役員は、「一都三県の首都圏でもまだカバーできてないエリアがあるため、まずは一都三県をカバーできる体制を整えたい」と述べた。
ウォルマートの日本での成長戦略について、竹田執行役員は、「日本市場においては、ネットスーパーを中心に事業を拡大するというのがウォルマートの方針だ」と語った。
実店舗を生かした取り組みとして、11月1日から期間限定で西友の115店で、「楽天市場」のお取り寄せグルメなどを品ぞろえした「楽天市場フードセレクション」を共同開催する。
楽天西友ネットスーパーは店舗の商品の受け取りに対応していないが、現時点では、店舗での商品受け取りについては検討していないという。
■楽天西友ネットスーパー
https://sm.rakuten.co.jp/
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