県内の大型デパートがまた1つ閉店することになった。25日発表された西武船橋店(船橋市本町)の来年2月末の閉店。今年、開店50年の節目を迎えるJR船橋駅南口の西武は、北口の東武とともに駅前のシンボル。その一角がシャッターを下ろすこととなり、地元の市や商工関係者からはため息と惜しむ声が入り交じった。
この日、西武船橋店で買い物客らにも衝撃が走った。千葉市の会社員、石田真澄さん(32)は「ショックです。職場が近くなので昼食に来ていた。品ぞろえが良く、贈答品や手土産を買っていた。不便になります」と話した。
船橋市の60代の男性も「月に1、2回は買い物に来ていたのに…、残念」と驚いた様子だった。船橋市の松戸徹市長は「象徴的な百貨店の閉店は残念でならない」とのコメントを出して惜しんだ。
そごう・西武によると、同店は昭和42年9月に開店した。平成10年に本館を改装し、「ロフト」がオープン。売り場面積は約4万2千平方メートルで、現在は社員と契約社員計約300人が働いている。
同社によると、バブル期に売上高が551億円(平成4年2月期)とピークに達したが、周辺の商業施設が充実したことなど競合環境も厳しく、直近の売上高は169億円(平成29年2月期)と、ピーク時の約3割に落ち込んだ。
同社はコストカットを進めながら存続の道を探ってきたが、「抜本的な収益改善は困難という判断に至った」と説明。同社によると、跡地は、同社が傘下に入るセブン&アイグループと地権者が共同して不動産価値を再評価し、複合施設の建設を目指すとしている。
JR船橋駅南口の再開発をめぐっては、15年に複合ビル「フェイス」が完成。その後、始動した事業はないものの、JRの駅ビル建設や周辺道路の整備なども進み、昨年、再開発の全体構想の見直しが行われた。今後、西武跡地を巻き込み論議が活発化しそうだ。
松戸市長はコメントの中で「駅前が新しい姿に変わりつつある中、まちにさらなる活気をもたらし、親しまれる施設として活用されることを願っている」などとも言及。また、船橋商工会議所の板谷直正会頭も「船橋の駅前にふさわしい複合施設に生まれ変わり、駅前のシンボルとなるよう働きかけていきたい」とのコメントを出した。
県内では、昨年から千葉パルコ(千葉市中央区)や三越千葉店(同)、そごう柏店(柏市柏)などデパートの閉店が相次ぐ。大型ショッピングモールなど後発の商業施設との顧客争奪戦が激化。また、インターネット通販の台頭もあって、競合環境は厳しさを増している。
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