東京大は1日、分子細胞生物学研究所の渡辺嘉典教授と元助教の2人が国際的な科学誌のサイエンスやネイチャーなどに発表した5本の論文について、捏造(ねつぞう)やデータ改ざんなどの不正行為があったと発表した。不正の疑いの指摘を受けて調べていた。
同研究所では2014年にも別の研究室で論文の不正が認定された。福田裕穂副学長は記者会見で「再び不正が発生したことは学術の信頼を揺るがす事態で、誠に遺憾だ」と述べ、再発防止に取り組む考えを示した。
元助教は渡辺教授の研究室に所属していた丹野悠司氏。発表によると、細胞分裂の仕組みに関する5本の論文で、実験をしていないのに、実施したかのようなグラフを示すなど捏造が6件、画像などの改ざんが10件あった。
また渡辺教授が論文の主張を強調するために積極的に画像などを加工するよう指導していたとし、丹野氏は「誤った教育による犠牲者の側面もある」とした。
渡辺教授は調査に対し、画像などを操作したことは認めているが、捏造や改ざんではないと話しているという。
東大は、渡辺氏が教授就任後に発表した計33本の論文を調べた上で処分を決める。また5本の論文の研究に国から計14億8千万円が助成されており、文部科学省などと協議して返還額を決める。
他にも疑惑を指摘されて調査対象となっていた医学系研究科の5人の教授については、不正行為はなかったと判断した。〔共同〕
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