2018年3月1日木曜日

就活本番 短期決戦「売り手市場でも不安」

 2019年春に卒業する大学生らの就職活動が1日、本格的に始まった。経団連に加盟する企業の会社説明会などが同日解禁され、就活支援会社が主催する合同企業説明会も相次ぎ開かれる。人手不足を背景とした「売り手市場」の傾向は強まっている。面接などの選考解禁は6月1日だが、就活は例年よりもますます短期決戦となりそうだ。自信と不安が交錯する中、将来の自分の道を決めるために一歩を踏み出す就活生たちの1日を追う。

合同企業説明会で企業の担当者の話を聞く就活生(1日午前、千葉市美浜区の幕張メッセ)

合同企業説明会で企業の担当者の話を聞く就活生(1日午前、千葉市美浜区の幕張メッセ)

■「希望のかけらを見つけた」

18時30分@幕張メッセ

 会場近くにいた金沢大理工学部3年の男子学生。不動産業界を志望しており、2社から「入社するなら内定を出す」と言われている。合同説明会では「金融業界も不動産業界と共通点が多いと気付いた」という。2日も説明会に参加する予定だ。

18時00分@幕張メッセ

 リクナビ主催の合同説明会の初日が終了。来場した学生数は2万9000人で、昨年の3万1000人より2000人減った。主催者側は「早期化の影響で2万~2万5000人にとどまるのではと予想していた」という。説明会は2日も開催する。

18時00分@早稲田

 部活後に合説を回った人間科学部とスポーツ科学部の女子学生。「帰ったら、また企業の採用ページに応募しなきゃ」と疲れ顔。「就活を早く終えて部活に集中したいけど、でも納得した就活がしたい」と話していた。

18時00分@幕張メッセ

 学生向けワークスペースにいた明治大商学部3年の男子学生。「これまで就活に対して希望3割、不安7割だった。実際に説明会に足を運んでみて、希望のかけらを見つけられた気がする。事業を通して何を実現したいかを丁寧に答えてくれた企業もあり、好感が持てた」と話した。

17時30分@幕張メッセ

 企業ブースの会場は出口に向かって学生の列ができ始める。一部の人気企業を除き、大手企業のブースにも空席が目立ち始めた。東洋大生命科学部3年の男子学生は15時すぎに帰る予定だったが、「人が集まっていない中小企業のブースで呼び止められ、帰るのが遅れた」。

17時00分@幕張メッセ

 大手企業のブースは相変わらず立ち見が出るほどの人だかりだが、中小企業のブースは空席が目立ってきた。

16時00分@有楽町駅前

 「メガバンクは受かっても行くかどうか分からない」と東大法学部4年の男子学生。「メガバンクに行きたいと思っていたが、人員削減のリスクがある。今は、業績のいい商社に魅力を感じている」と明かした。

日本航空の講演では立ち見の学生が多数出た(1日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ)

日本航空の講演では立ち見の学生が多数出た(1日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ)

15時50分@汐留

 東京音楽大学音楽学部3年の男子学生は合同説明会でJR東海のブースを見てきた。「この後は演奏会がある」と言って、足早に会場を後にした。

15時40分@有楽町

 創価女子短期大学1年の女子学生は「4年制大学の就活生と戦わなければならない」と焦りを見せる。合同説明会ではソニーミュージックなどの企業を見て回ったが、「19歳という若さが武器。物おじしないで先輩と戦いたい」。

15時20分@有楽町

 東京国際フォーラム近くのベンチ。「広告や保険業界を見てきた」と法政大国際文化学部3年の男子学生。広告ベンチャー企業から内定をもらっているが「まだまだ貪欲に攻めたい」。これからカフェで企業ごとの特徴をノートにまとめるという。OB訪問や合同説明会の感想をびっしり書いたノートの厚みが自信につながっているようだ。

15時@有楽町

 「朝から合同説明会を回り、OB訪問もした。少し疲れました」。慶大経済学部3年の男子学生はカフェで一息つく。合同説明会で金融、ファッション、機械メーカーと10社程度を見て回ったが、「見れば見るほどやりたい仕事が分からなくなる」と振り返った。

15時10分@幕張メッセ

 会場内のソファでは学生らが疲れた表情で腰掛けており、中にはうたた寝をする姿も。東海大観光学部3年の男子学生は「就活情報サイトに届くメールを確認していて、寝たのは午前4時です」と話した。

14時45分@幕張メッセ

 この日最大規模の講演会を開いたのは日本航空。定員400席の会議室に、立ち見も含めて620人の学生が入った。2月中旬に予約したという立教大現代心理学部3年の女子学生は客室乗務員志望。「人気が高く、予約開始の2日目には埋まっていた」と話す。

14時40分@東京大学

 東京大学の合同説明会の会場にはプロカメラマンが顔写真を撮影するコーナーがある。法学部3年の男子学生は「忙しくて撮りに行く時間がなかったから助かる」。オプションでニキビなどを目立たなくするサービスもあるが、担当者によると申し込んだのは男子学生1人だけだったという。

企業の合同説明会に訪れた学生たち(1日午前、千葉市美浜区の幕張メッセ)

企業の合同説明会に訪れた学生たち(1日午前、千葉市美浜区の幕張メッセ)

■「これで人生が決まる」

14時30分@汐留

 合同説明会の設けられた休憩コーナーでは、学生向けにパンが提供されていた。白百合女子大学文学部3年の女子学生は「就活中は朝が早く、朝食を食べられない時もあるからうれしい」。休憩後は気持ちを切り替えて博報堂の会場に向かった。

14時00分@幕張メッセ

 会場内の一角。明治大情報コミュニケーション学部3年の男子学生が立ったまま手帳を開いてスケジュール調整していた。1日深夜から今朝までの間に、すでにネットを通じて20社の企業説明会を予約したという。「3月は3週目までの予定がだいたい埋まっています」

13時30分@東京大学

 東京大学では大学主催の合同説明会が開かれた。事前登録した学生は約950人。中国から留学している大学院2年生の男子学生は「グローバル企業でも日本の会社は日本語能力の高さを評価する。中国語の能力はあまり武器にはならない」と嘆いていた。

13時20分@早稲田のホテル

 48社が集まる合同企業説明会。13時の開場とともに、学生が流れ込んだ。人気企業のブースはあっという間に立ち見状態に。早大人間科学部の男子学生は「回る企業は決めている。今はそこがいっぱいだから待つ。興味がないブースには行かない」と話した。

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