2018年3月2日金曜日

FRB議長「米経済の過熱回避」 早期利上げ改めて意欲

 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は1日、上院銀行委員会での公聴会で「物価を目標に向けて引き上げる一方で、経済の過熱は確実に避けなければならない」と述べ、早期の追加利上げに改めて意欲をみせた。「現時点で景気過熱の証拠はない」としつつも、大型減税などで景気が上向き、賃金や物価の上昇が続くと予測した。

1日、パウエルFRB議長は上院銀行委員会の公聴会で証言した(ワシントン)=AP

1日、パウエルFRB議長は上院銀行委員会の公聴会で証言した(ワシントン)=AP

 パウエル議長は2月27日の下院委に続き、上院委でも議会証言に臨んだ。先行きの利上げペースが焦点となるが「物価上昇に後手に回ることは避けなければならない」と述べ、早期の利上げを示唆した。市場は20~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2017年12月に続く利上げを決断するとの見方を強めている。

 FRBは年3回の利上げを基本シナリオとしてきたが、市場には年4回に加速するとの見方も浮かんでいる。パウエル議長は「まだ賃金上昇を示す強い証拠はみられていない」と述べ、今後発表する2月の雇用統計などを見極める考えを示した。ただ、景気見通しは「力強さを増している」と指摘し、賃金や物価の上昇が「早晩実現するだろう」と強調した。

 トランプ政権と米議会が実現した大型減税は「今後数年の成長率を着実に押し上げる」と評価し、企業投資の増加で米経済の実力である潜在成長率も高まると指摘した。一方で財政赤字の拡大には懸念を示して「経済が好調なうちに財政を持続可能な道に戻すべきだ」と注文をつけた。

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