韓国では1970年ごろから国産のイチゴの品種を本格的に育成し始めたが、これといった成果を出せず、一時は日本の品種が韓国国内のイチゴ市場の8割を掌握していた。
2005年になって農村振興庁がイチゴの研究事業団を発足させ、研究に集中的に取り組むようになると、国産品種の普及が進み始めた。特に、同年に日本の品種「章姫(あきひめ)」と「レッドパール」を交配して開発した品種の「ソルヒャン(雪香)」が、国産の普及率アップに大きな役割を果たしたと同庁は説明している。
国産品種の普及率が高まったことで、イチゴの輸出も大きく伸びている。香港やシンガポール、マレーシア、タイなどへの生鮮イチゴの輸出額は昨年に総額4299万ドル(約45億円)と、07年の10倍ほどに急増した。一部の品種はベトナムや中国に輸出され、年間4万ドル程度のロイヤルティーも得ている。
韓国の国産イチゴは、2月の平昌冬季五輪でカーリング女子日本代表の選手が試合中の休憩時間に食べ、味をほめたことで話題を集めた。
これを受け斎藤健農林水産相は、韓国のイチゴは「日本から流出した品種を基に韓国で交配されたものが主だ」と指摘したが、農村振興庁の関係者は「新品種はもともと異種の交配、遺伝子の安定化技術の開発などを経て作られるもの。日本も19世紀に欧州からイチゴの種子を持ち込んで独自の品種を開発した」と説明する。
この関係者はまた「新品種が開発されても、正式な品種として登録するには技術特許と同様に2〜3年の検証期間が必要になる。国産品種は検証を経て正式に登録された品種であり、法的な問題もない」と強調した。 </span>
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