新幹線のぞみの台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、JR西日本が2007~10年に川崎重工業から購入した計303台の台車のうち、鋼材の厚さが設計時の基準に満たないものが、他に100台あることが28日、分かった。JR西が記者会見で明らかにした。同社は走行時に不具合が生じる恐れがあるとして今後、順次取り換える。ダイヤに影響はないという。
川重の金花芳則社長は28日、神戸市で記者会見し「多大なるご迷惑とご心配をかけた。深くおわびする」と謝罪。月額報酬の5割を3カ月返上すると発表した。JR東海も同日、所有する川重製の台車130台のうち46台で鋼材の厚さが基準を満たしておらず、今年12月末までに取り換え作業を完了させると発表した。
JR西によると、8ミリの鋼板をロの字形に成形した台車枠は加工後、鋼材の厚さが7ミリ以上あることが求められている。しかし今回亀裂が生じた台車枠底面は、最も薄い箇所で4.7ミリだった。川重は台車枠の底面に「軸バネ座」と呼ばれる部品を溶接する際、接着面を滑らかにするために鋼材を削っていたが、強度が不足する恐れがあるとして本来、禁止された作業だった。
溶接作業時の不備で鋼材内部に割れが生じていた恐れもあり、JR西は「溶接部分を起点として亀裂が発生し、底面の強度が不足していたことで亀裂が進展したと考えられる」と結論付けた。
会見した来島達夫社長は「メーカーと鉄道事業者が一体となって安全を担保する必要がある。メーカーには製造時の検査確認と品質保証を求め、安全を確保したい」と話した。
【用語解説】のぞみ34号のトラブル
2017年12月11日、JR西日本が所有する博多発東京行きのぞみ34号で、乗務員が小倉駅を出発後に焦げた臭いを確認。その後も異臭や異常音などに気付きながら、現場と指令員が停止判断を人任せにし、名古屋駅で運休するまで約3時間運転を続けた。台車枠の亀裂は底面に16センチ、両側面に約14センチで破断寸前だった。運輸安全委員会が新幹線で初の重大インシデントに認定した。
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