カナダは１日、鉄鋼とアルミニウムを対象とする米国の輸入制限は国際的な貿易ルールに違反しているとして、世界貿易機関（ＷＴＯ）への提訴手続きを始めた。カナダ西部ウィスラー訪問中の麻生太郎財務相も同日「（他国の）流れを見てから検討しなければならない。今の段階で決まっていないが準備はしている」と記者団に明らかにした。
カナダはＷＴＯの紛争解決手続きに沿って、まず米国との協議を求めた。決着しない場合は裁判の「一審」に当たる紛争処理小委員会（パネル）の設置をＷＴＯに要請できる。欧州連合（ＥＵ）も１日、ＷＴＯへの米提訴に向けた手続きを始めたと発表。カナダはＥＵと連携し、輸入制限の停止を迫る。
カナダのフリーランド外相は声明で「一方的な輸入制限は、米国の安全保障を守るという誤った口実に基づいて発動された」と強調。「カナダとの貿易を安保上の脅威と見なすのは完全に不適切だ」とした。（共同）
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